BLOG : 2016/07

津奈木滞在記(9)

ギャー 八月になるぅ

心は修羅です からだはほころびはじめています

ぎりぎりのところで心と身体をコントロールする要は

良い展示をつくりたい その光だけだとわかる

それでも七月後半 なんとか光はみえてきたようで

今は少し落ち着いている ガンバ大阪

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こんなかんじ

 

少し前ですが 夜灯 第三夜「夕暮れの波を線引く」というワークショップをやりました

またまた海で

前回は一人一人 海を追いかけてもらったけど

今回は わたしが描いている絵くらいの大きさの一枚の紙に

つぎつぎ流れ来る波を 描いていくというのをやりました

色も刻々変わる夕方の海 ひとりで描いていてもなかなか追いつけない波を

みんなで描いたら それぞれの固有の線が 海そのものになってすごい

嫉妬した すごく良い絵ができあがった

 

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まずは海水を汲みます

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トップバッターはカイエン君 白い紙に線をはじめにひく緊張感はだれでも同じ

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もうすでに良い 線ってほんとうに不思議だ

正解も不正解もないのに 良い線は良い

波をとらえるため 海をみる

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最近 すごく晴れた夕方には 水俣病研究センターが信じられないほどそこだけ

太陽を反射することがわかった

そしてその反射の光が海に縦の線を引く この線がでるのはおよそ5分間だけ

この日はでた! でもうかうかしてたら消えちゃって描けなかった

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この日は色々な大きさの筆を用意した おもしろいほど長い筆でかくエナちゃん

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みなの一筆一筆に 自分にないものを感じる どれも良くて

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光る研究センターもちゃんと描いた 山の色とのコントラスト

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できた

最近海をみていると 海は物質 と思う

そして 海は心象 とも思う

現れた瞬間別のものになって 繰り返し繰り返しするけど 同じ瞬間は二度と無い

心象という物質の集合

沢山の人が自分の線を引くことで その海に近づいた気がする

一人で描く海は どうしても私の心象になってしまって

海の本質からは遠ざかっている そんな気がしてすこし寂しかった

でも 私の目が決めたところの絵を 描くしか無いと思う

 

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楽しくって写真撮り忘れたけど 沢山の大人も線をひいてくれた

はじめは例のごとく私は絵は描けないから と言う人たちも

いざ筆を手渡すと 紙をまえに覚悟を決めたように向き合う

慎重に おそるおそる 一筆を置く

その姿をみるのが好き

近所に住んでいていつも犬と見に来てくれるこの奥さんは

私は描けないといつもいってたけど この日 みんながもう描き終えて談笑しているときに 暮れかけた光の中 ひとり描いてた 山を

感動した

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いつも松田さんは お母さんの手料理をもってきてくれる ビールももってきてくれる 海で食べたり呑んだりするのはたのしいなあ ありがとう

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石田さんが こどもらを急かして つなぎ音頭の練習 もうすぐ夏祭りだね

ちなみに石田さんは 波の線を引くのもめちゃ速い

皆が一本引くあいだに5本くらい引く

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花火もした ささやかな夏祭りだ 夜灯祭りと名付けよう

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夏の夜って楽しい

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船が近づいて来る

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林田ひろみさんが赤崎から船できた!

海から登場するの超かっこいい 船はみんなあこがれ

颯爽ときて ビールで乾杯して しらすを食べて 颯爽とまた帰っていった

お祭りの山車みたいに華やいだ

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最近は早朝5〜7時まで海に行って描いている

朝は涼しい この変な雲には驚いた

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どうなるかな わたしの海よ

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あ でました 美術館にコイキングです そんなにやってませんよ

ポケモンGO

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満月の引力

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動けなくなる

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景色に見つめられるような瞬間がよくある

どんなに疲れていても 明日も早起きしなきゃ とか思っても

見つめてしまう景色がある

こころのどこかで それが大事とわかっている

 

 

朝と昼と夜しかない 当たり前だけど 今の私には今日一日しかない

夜寝る前に少しだけ 明日のことを考えるけれど それしかない

ロッククライミングをしているような感じ

 

 

津奈木滞在記(8)

梅雨が明けた

朝から晩まで 常時オンで生活している

日記にかきたくなるような素敵な出来事は毎秒のように起こっているんだけど

それらに比べて 絵のすすみはなんてもどかしいんだろう

うへー! つべこべいわずにやります

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ある夕方 海にいくと こどもらが「もぐらをみつけた!」と興奮している

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土に同化しているけど もぐら 海でもぐらをつかまえるなんてすごいね

飼いたいといって もって帰っていったけど 後日聞いたら夜に逃げ出したらしい

もぐらも命拾いしたね

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夏の空ってかんじ 季節変わって 海その変化 追いつけない

絵が まったく追いつけない 発想の転換が必要だ 悩む 苦しい

海はいつもわたしの絵なんかより圧倒的に美しい 足りなさすぎる

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二度目の熊本市内行き くまもん電車 びっしりくまもん

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なにその顔!

 

 

熊本では 去年のつなぎのレジデンス滞在者 武内明子さんと会った

楠本さん石井さんと 「ねぎぼうず」という最高にいいかんじの飲み屋で呑んだ

ひさしぶりの居酒屋に 笑いが止まらない

帰り 大雨で電車がとまっていた 仕方なく新幹線で新水俣まで帰りそこからタクシーかなあ と思っていたら石田さんから電話があり

「雨だいじょうぶね 迎えにいくばい」

夜遅くに帰宅する娘への気遣いのような優しさ 自然なやさしさ

ありがとう

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同じく婦人会ほんださんからもらったパン

婦人会には6人の女性がいるが 全員がお母さんみたいに思ってきた

なんでもひとりでできる年齢だが 母のやさしさはその隙間に染み渡るようで

相手のことを静かに思う なんというの そういう種類の優しさ

わたしにはまだまだできそうにない

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ひょっこり 朝はクロが家をのぞく おはよう というとエサエサいう

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すごく晴れた夕方 こりゃいいぞ と海にいくと いつものこどもに加えて

天気がいいんできました という大人 いさやまさん 斎藤さん 松田さんがぞくぞく海にきて 「晴れた夕方は海で集合!」という暗黙のルールみたい

美しい海をみなでみる 絵を描く気になれない くそぅ

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海が人を出会わせる不思議

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松田さんがビールもってきてくれた! ここで乾杯したいといつも願ってる

さいこうなんだよ

 

 

このあと 松田さんと 林田ひろみさんの家におじゃました

林田さんは漁師さんだ

わたしがはじめて 笑平くんと津奈木に遊びにきたとき 家に泊めてもらった

林田さんちは特別だ 初対面でもなんでも 家で一緒にお酒を呑む

呑んでたら地元の人もどんどんきて その夜は宴会になった

その印象が わたしの最初の津奈木の印象

今回改めて津奈木に来て まあ会えるだろうまた と思っていたけどなかなか会えなかった!

いつも絵を描いている仮止(かっど)という地域からさらにいくと

赤崎という地区にいく 夜のみちをはじめて 赤崎まで自転車でいった

いつもみていた海や島のかんじが 赤崎にくるとまたぜんぜんちがって見え

視界がひらけるようだった

林田さんちにいくとなんかなつかしく 今朝とれたしらすを頂きながら呑んだ

ちょっと一杯 のつもりが案の定遅くなったけど 再会できてよかった

今度船で仮止まであそびに来てくれるそうだ

 

からだへろへろ くたくただったけど 帰りの道

なんとついに!!!あの 高速道路のへんなきのこみたいなコンクリートに

橋がかかる まさにその瞬間にでくわした

道路を通行止めにして 深夜にひっそり行われていた工事

その見た目 出来事にこころうばわれてしまい 橋がかかるまでみてしまった

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シュールな光景だと思うんだ

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けっこう見物人がいた

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人がいる 人がやっているんだ 信じられないかんじだが

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ついに橋がのっかって 謎の門が津奈木町に出現するまでのあいだ

いろいろなことを考えた 変かもしれないけど たくさんの矛盾した心象が

こころを巡った

すごい速さでなにかが変わっていく怖さみたいなのと

謎の造形の 象徴みたいな門への 畏れと 喜ぶきもち

人間がこれをつくることの勇ましさ

戻れない 戻らない

田んぼにカエルがなく のどかさの中の工事

これが現代の わたしたちが生きる風景じゃ という感覚

外にあわられる景色だけれど 田んぼもカエルもコンクリートも月も

ぜんぶ自分が内側に持っている感覚だ というかんじ

丁度選挙もおわったところだったし 世界 というか 人間の仕組みの業みたいなもの

でも最終的に一番記憶に残ったのは 人

コンクリートの上に乗って おそらくはずいぶん前から その人の日常の時間の中でコツコツ積み上げられて 今夜 そのコンクリートの上で橋をかける作業をする人間の小さな姿

それを見上げる人たち

良いとか悪いとか 言えないけど 心のスクリーンショットに場面ごと記憶した

今 道路という役割がなく ただかかっている橋に 哲学をみた夜でした

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しばらくは これが津奈木のあたらしい風景 わたしの暮らしに入り込む

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朝 海で一緒に絵を描きたい というこどものリクエスト

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朝描いてたら 陽が山から差して来て 7時以降は描けないと知った

まったく色が見えない きらきらしてすごいんだけど

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仕方ないから 遊ぶ

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生活のすべてが絵に成っていくのをかんじるほど 追いつかない筆に焦りがつのる

だけど はやくどうにかすることはできない

ひとりの人間にできる一歩は 小さいんだ

それもまた思い知る

それでもあきらめずに生きるしかないよね

話が壮大だ

 

 

 

 

 

 

 

津奈木滞在記(7)

梅雨明けはまだかね

晴れの日がつづき 朝から美術館 夕方から海へと一日がめまぐるしい日がつづく

こんなに毎日描き続けているのに 完成していない作品ばかり

ひー!ってなるときがある なってもしょうがないんだけど

 

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たまたま東京から熊本にボランティアにきていた男性がつなぎ美術館にきて

「東京からパン送りますね」と言われていたのだけど ほんとうに送ってくれた

ありがとう すごい

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早速昼ご飯にみんなで食べた 最近は それぞれの畑で穫れたきゅうりやトマトをよくもらう 家庭菜園をみなふつうにやっていて いいなあ

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裏のおじいちゃんがしばらく入院することになり 猫の餌やりをやっている

はじめは なんだこいつ というかんじでいぶかしんでいたクロだが

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最近は朝 家の境目のところで待っている

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煮干しをちらつかせるとこんな顔

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ニャアと鳴いてエサエサいうのが可愛い

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いつも朝夕 海にいくときに通っていた道が高速道路の工事で秋まで通行止めに

がーん

この道が気に入っていたのに

ここからみえる景色の絵も描いていたのに

高速道路の橋が かかるんだなあ 景色は知らない間に変わる のではなく

着々変わっている つねに見ていると この変化は劇的すぎる

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この キャシャーンととんがったかたちがかっこ良いしなんか怖かった

この下を通る時 いつも 巨人を見上げるみたいにみていたのにな

周辺の土が掘り返され 地面 地球の荒々しさみたいなのも露出してた

通行止めになる前日に撮っといた写真

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なにもなかったところに水が張られ 稲が植えられたりもしている

田んぼをみると 去年の倉敷での滞在にむすびつく

自転車で毎朝 田んぼ道を通ったこと

津奈木と倉敷 ワープの扉

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最近は この二人の兄弟が毎日海で待っていて(?)くれる

この時間 つねに奇跡みたいに美しい

でも二人はまだ 自分がその美しさの中に居ることに気づいていない

それがまた愛おしい

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弟は身軽でおさるさんみたい

 

 

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描いてみたい というので 描いてもらったら

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すごくいい線で 自分の線とぜんぜんちがって 驚いた

 

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なるべく消さないよう 描き進めている

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海の漂着物でつくるインスタレーション

この美しさに感動

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実物は 夕焼けに照らされて 波の音がして 風が吹いてて

ぜんぶ動いていて その中の 儚い美術 ってかんじで

写真ではその100分の1も捉えきれない

なるべく全身で記憶した すごかった この時

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潮の満ち引きで 漂着物コレクションが流されないように 帰り際には毎回インスタレーションは解体される

それがまた 人間の営みってかんじがして 良い

潮が引いたら集めてつくる 潮が満ちる前に戻す また新しくつくる

 

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昼の海も良かった 暑かった ジリジリきてる

 

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昼は絵も昼の海に見えるなあ

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夏の空になってきて 山や空が濃くなってきた 変化をかんじるけれど

捉えきれていない部分が多くてもどかしい

 

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釣り人に憧れる 海をもっと知りたい

 

良い絵を描きたい ほんとうに良い絵を描きたい

その想いだけが もくもくと熱量をもってふくらんでる ふくらみすぎている

わけのわからないエネルギーが こもっていて

消化できない せっつかれる けど どうやって絵にしたらいいのか

手が追いついていない 焦っても駄目 でも もっと なんか 足りない自分の

枠がまだうまくはずせない

足で描いたりしたらいいのかしら ちがうちがう

もっと 一筆入魂

津奈木滞在記(6)みんなで海を追いかけた日

おは

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ようございます

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七月ですね 蝉がうっすら鳴き始めました

すごくひさしぶりに 前髪を オン ザ マユゲ にしました 失礼しました

 

もうすぐ選挙ですが 東京に帰れないので 初めて 不在者投票というのをやってみました

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この封筒をもって 津奈木の役所に行ったら 不在者投票がめずらしかったため

みなでおそるおそるやりました

投票会場って すごい 私語とかしちゃだめなかんじが東京ではあったけど

石田さんの息子さんが役所で働いていて あ どうもいつもお世話になってます!とか 絵のはなしとか なんか雑談ばっかりしながら投票しました

 

帰り際水たまりで自転車が横滑りして倒れたけど スタントマンみたいにピョーンと飛び降りてスチャッて着地した こんなことできるんだ 無傷 !

 

 

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美術館には定期的にあそびにくる人が何人かいる そのうちの一人

前川さんが 自作の 竹でつくった筆入れをくれた!!北斎の波の絵がほってある

すごくうれしい 可愛い

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モノレールにのって帰って来る岩崎さん なんか良いんだ

 

先日 日頃お世話になって いろいろ食べさせてもらっているみなさまに声をかけ

インドカレーをふるまう会というのを我が家でやりました

無限カレーとかちがう

つくるのに3時間かかった スパイスをつかったカレーですよ

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たまねぎ10個みじん切り

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色々入れた カレーづくりは楽しい 絵のことをわすれた時間

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わ〜 パーティだよ

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カレーパーティだといっているのに カレー以外の差し入れが充実しすぎていて

もはやカレーいらないのでは?というぐらいたらふく食べた

キビナゴの刺身とか天ぷらとか赤飯とか お正月のよう

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下川さんがお土産にくれたあの「コバルトアイス」お持ち帰り用!!

これはほんとうに美味しいよ みなに勧めたい

 

さて そんなかんじで 過ごしていましたが 梅雨真っ最中ということで

ぜーんぜん海に絵を描きにいけない

雨がざんざん降ると いつも捨てられた子犬が段ボールにはいっている姿を思い浮かべるかんじで 海辺の絵のことを思っていた

6月30日 朝から雨

この日は 美術館主催の夜のワークショップ

「夜灯 第二夜 夕暮れの海を追い描く」が行われる日

海で絵を描いている時 ほんとうに得も知れぬ感覚がさざ波のようにやってくる

それは 嬉しいも悲しいも寂しいも なんもかも含んだ 美しい というのがまあ一番近い 衝撃の感覚

日が沈むまでは その波をなるべく絵に写し取ろうと必死で手を動かす

でもふとしたとき だれかとこの今を一緒にみたい!!と 願っているときが有る

そして いつのまにか夜が忍び寄って来て 夕方と夜のあいだの時間になると

ああ 今日が終わってしまった

と思う時 ほんとうに寂しくて となりにだれかがいたら ビール呑んで 夜まで一気に飛び越えられるのに と思う

そこで ワークショップで みんなでこの 海をひたすら追いかける時間

追いつかないけど追いかけることを一緒にできたらいいな

そして それが終わったら 夜を楽しむように そこでごはんを食べたり呑んだりできたらいいな と思って「夕暮れの海を追い描く」ということをやることにした

だのに雨 雨〜〜

わたしはこの日 美術館で絵を描きながら 雨雲が西から東へなるべくはやく流れるように念じていた

夕方まで雨は降っていたけど 空を睨んだら 雲がすこしはやくサササッと駆けていくのが見えた

参加してくれる婦人会のみんなが 「晴れてきたばい!」といってくれた

みんな すこしづつ晴れをねがってくれていたのだろう

17時 美術館をでると 西の空が明るい!!!!

雨上がりのきらきらした空気 もう そわそわして いてもたってもいられない

いそいそと海へいく ずっとドキドキしている

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雲が 空が

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はじけたこどもの銅像も小躍り

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この坂をまがれば海がみえーるんだよ

電動アシスト自転車だから楽々のぼれるけど さらに立ち漕ぎしてのぼった

海へいくときはいつも音楽を聴いている

歩いている人もほとんど居ないから 大声で歌っているのだけど さいこうに気分がいい

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いつもよりはやい時間についた まだ日は高い でも晴れた晴れたー!

 

近所に住んでいる少年がおーい!って遊びに来た

とてもかわいい パズーみたいな男の子

私はこの子が海にきてくれるとほんとうに嬉しい

別に絵をみてるとかじゃなくて 海でわかめを拾ったり

好きに遊んでいるだけなんだけど

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この少年が来たあたりから 津奈木にきて一番良い日 が始まった気がする

ぜんぜんブログでは伝えきれないけど

すべてが星の巡りみたいに美しく 軌道にのって 胸が高鳴るけど

静かなきもち というような 生きる中でたまにしか訪れない

特別な時間のはじまり

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蟹 葉っぱをはさんでる

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これは別の日なんだけど(引き潮の時) こんなかんじで海に没頭している少年 すきだ

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この時は死んだクラゲをもってきた ぐにゅぐにゅだった

 

この日は本当に 大切な日だった 今思い出してもからだがぽわーと熱くなる

パズーみたいな少年が自分のルールで海で遊んで 石や蟹を拾っていて

私が上で絵を描いていて 空がだんだん輝いてきて

風がたまに吹いて

夕食の支度の気配がして

少年のおじいちゃんが上から 「温泉いくぞー!」って半裸で降りて来て

少年が 「俺今日温泉いかーん!いきたくなーーぁいーーー!」って言って

おじいちゃんが 「オウ、そうか」って言っていなくなって

また 海で遊んで 私は絵を描いて それぞれ 存在して

なんか まるっきりジブリの映画の美しいひと場面みたいなんだけど

そこに 自分も含まれている 「美しい調和の世界に 自分も一粒の役割としてそこにあたりまえみたいに含まれている」

そういう おおげさに言えばそういうかんじになって

海からくる波に 涙がこぼれそうになる そういう時だった

言葉でうまく伝えることができないだろうという悲しさとか恥ずかしさがあるけど

それでも自分へのメモとして 書き記す

そこから どのように どんな絵を描けるのか ほんとうに描けるのか

不安とふがいなさでいっぱいだけど とにかくこの時は

津奈木にきて一番大切なことが見えた時間だった

 

このあと その世界に たくさんの人が来る

ワークショップ参加してくれる津奈木のみなさま

いいところやね〜! 海ひさびさにみた〜 など言いながら

もう うれしくてうれしくて。。

こどもみたいに はしゃいだと思う

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みんなで海を追いかける

絵を描きます というと みんな怖がる 白い紙 まったくの自由

鏡にうつる自分をまじまじとみるようなかんじ わかる

絵を描くことが怖い という感覚

でも 海を眼で観て なにか遠いところから伝わって来た波の信号 色の信号を

そのまま紙に書き写す

そのくりかえしをやってほしいと思った

でもその 反射的に受け取る信号の受け取り方というのがひとりひとり違うこと

だから 絵にはその人の人となりがでてしまうこと

どうか怖がらずに楽しんでほしいと願った

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描いている時 だれもしゃべらなかった

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冗談やごまかしのおしゃべりがなく 30分ほどのあいだだったけど

本当に感動する時間だった

わたしもとなりで絵を描く

この感覚をどうあらわせばいいんだろう?

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もう 光の信号がチリチリした砂嵐みたいになっても なかなか描き終えなかった

変わってしまうことで どんどん色が混ざってしまったり

思うようにいかない悔しさも含めて わたしがいつも一人で味わっている

絵に向かい合うときのさまざまな揺れ

それを同じ場所で 同じ時間に 経験できた

絵を描く(ライブバージョン) というかんじ

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ひとりひとりの絵は ぜんぶちがう そのことに対する驚きと

もっとこんなふうに描きたい という欲と

美しい一瞬と

海を描いていたはずが 自分 みたいになってしまうことへの戸惑い

夕日が沈んでしまって 今日が終わる切なさ

みんなと一緒に いれたこの日がまちがいなく津奈木にきて一番良い日

このあとビールを呑んで みながもちよってくれた ごはん だんご 蒸しパンなどをつまみながら 夜の小さなお祭りみたいに

まさに 夜灯みたいに ひとりひとりが 小さく光って集まった

そんな日でした

帰りの道 みなが車で私を追い越していく中 自転車で一人

走る夜道は 興奮して 眠れそうにない

ぜんぶのものがよく見えて あらゆるものがあって その中に 宇宙の塵みたいにちいさな自分がいるけど 小さく光っているような気分 堂々と小さく 光っているような気分

 

はあ 文章かきながら微熱がでた

さあて7月だ!この壮大な想いとはうらはらに なんてもどかしい毎日の作業!

到達するにはほど遠い

でも それでも今日一日 朝が来て 夜が来るまで あきらめない

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