津奈木滞在記(11)ついに海にくりだす

オリンピックと甲子園 ラジオで聴いています

最近猫とわたしの関係がまた親しくなっている

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軒下から

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部屋にあがるように

朝5時に起きて布団などたたんでいると 外からにゃーんと呼ばれる

朝は一緒にごはんを食べている 至福

 

お盆あたりは行事がつづき ビール呑んだり せりふね大会いったり

少しからだをゆるめた

といっても 全力で遊んだ へとへとへと〜

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赤崎地区のお祭りにいった 夕方から海で絵を描き 日が暮れてからのお祭り

うきうき 灯籠が港を彩る 火って明るいな 小さいのに 夜灯だ

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屋台!ビール! 開田さんや松田さんがやきとり売ってた 林田さんはかき氷売ってた 全種類食べた たのしかった 絵を描いたあとに ちょっと一杯 それが最高にすき 飲過ぎないこと これ大事   お と な!

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食べ物をもらうことがほんとうに多い

家に帰ったら冷蔵庫に大家さんから差し入れ

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せりふね大会の打ち上げにひょっこり参加したあとも

オードブルまるまるもらえた 一週間は暮らせる

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お盆の日に行われる せりふね大会

一昨日美術館にきた町長さんに聞いたところ せりふねとは 長崎でいうペーロンのことでした ペーロンという船をつくるのに 津奈木の杉の木は油がのっていて良質だったため 津奈木から長崎へ木を送っていたこと

長崎のまねをしてせりふねを作って イワシを海から加工場まで運んでいたこと

イワシは腐るのが速いので よりはやくイワシを運ぶのを競い合ったところからせりふね大会がはじまったこと

なるほどー だった

現在は 地区ごとに船をだし 競う やはり海沿いの地区がやる気もあふれていて強く 街中は過疎などもあり 漕ぎ手がいない など さまざま

まちの変わり行く今を 実感

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ずらーとテント 地区ごとに   わたしは染竹地区に住んでいるので そこで応援

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中学生の部 可愛い

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乗りました 漕ぐのは無理です 船の先頭に 艇長という役割があり

ただみんなのほうを向いて タオルをふる というやつなのだが これをやらせてもらった

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これがもう すごくて。。 屈強な漢たちがこちらに圧をかけてくる!

ひとこぎすると身体が前後に振れるのだが その振れに合わせてタオルをビシッとふる スタートしてから 我を忘れるほど声をはって タオルをビシビシふっていた なんだろうこの体験。。 すごく興奮した

翌日腕がひどい筋肉痛だった タオルふっただけなのに

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強いチームはみなのオールさばきが見事 みな 夜な夜な練習しているんだって

 

 

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最近 海の絵を描いていて すごいことが起こる

描いても描いても追いつけなかった海 しばらく 朝も夕も 集中して必死で描いて来て 自分なりの 海のリズムができてきた 完成 というのは ない

展覧会の締め切りがあるから それまで描くだけ

そんな気分で最近は描く 一日一日を 今日で仕上げるつもりで

そしてまた次の日は新しく

そうしたら あれ? 今日の空 絵に似てる! という瞬間がくる

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毎日変えているのに 雲の形が同じだったり 色がぴたっと合う

私は3ヶ月の海を描いていて 今日の海は今日だけの海なのに

そこに含まれている 含んでいる

そういう一瞬がたまにある

どうなるのか どうしたらいいのか かたまらないまま ゆらゆら描いている

そういう絵は 自分の作品じゃないかもしれない そう思うけど

この絵は その まかせる かんじと 自分の眼がみたものの 境界線にぎりぎり存在したい 自分にひきよせすぎず ただ海を模倣するのでもない

そういうひとつの 生き方みたいに

描き上がる というか 時間が来たら 改めてみてみよう 展示のときに

 

 

と! 昨日 そんな いつも絵を起点に みていた海に繰り出した!!!!

ずーっと 海からこちらをみてみたいなあ 海にでてみたいなあと思っていた

船にあこがれていた

でもきっと 願っていれば 乗れる日がくるよね と 気長に待っていたら

願いは海からやってきた

 

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最近 夜に釣った太刀魚をもってきてくれる つるのさん(こころの中ではタチウオさんと呼んでいる)

この太刀魚が美味いこと!

こんなに美味しいんだなあ

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夜寝る前にさばく キラキラ光ってる

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刺身ももらった これは美味い 甘エビのようだ 思わず普段禁じている晩酌をした

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その タチウオさんが 海から絵のほうにきてくれるようになった

ある日 乗りたかとやろ?と言われ やったー!のりたい!といって

ついに船出

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夕方 太陽に向かってはしります

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船は 海に浮かんでいる あたりまえだが この 海スレスレ感がいい

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まちをみる 山の上からの視点で描いている絵があるが いつもと逆に

海からみる

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自分の絵がみえてくる!!うわあ

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感動

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いつも絵をみにきてくれる斎藤さんがいた 海から手を振った!

いつもはあちら側にいる自分

この 視点の転換はなんだ 半分しか見えていなかった世界がぜんぶみえるような感慨

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対岸に見えていた 描いている 湯ノ湖まで行く

船は速い 行きたいところに直線でいける

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研究センターが近い 思っていたよりもでかい

遠くのものが 近くなって よくみえる 存在感が変わる

ほんとうにすごいことなんだから 写真ではわからないだろう くっ

この実感がすごいのに

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夕日に向かって

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沈むまで ただ夕日をみた いつもは釣りできているタチウオさんが

夕日を見るためにだけ 来ることになるとはなあ と言っていたけど

タチウオさんだって ぜったい毎日夕日に感化されていたのだ

ただ意識していなかっただけで

夕日が人に及ぼす力はすごい 毎日浴びていたら人柄とか変わるはず

一人でみる夕日 良い 今日の終わりを惜しみながら あらがわず行こうと思う

二人でみる夕日 良い 一人とは少し違う 今 この瞬間を強く意識する

 

なーんて

実際は 競馬の話とかしてたらいつのまにか沈んでたんだけどね

でもとにかく あたまの中にある世界が 反対方向にぐんと広がった

ドラクエで 今まで見えていたけど行けなかった大陸に船出したときのあの感覚を

思い出したけど

ドラクエが今日の私を真似しているだけのこと

見えていても見えなかったこと もの 人 その奥へ 近くへ

いけることの喜びよ

 

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夕日が沈んで陸に帰る時 今度は月が現れていた

まんまる なんだか贅沢フルコースな夕方だった

ありがとう タチウオさん

 

展示まであとひと月 津奈木に滞在するのはあとひと月半

明日もフルコースで 過ごしますよ!

 

津奈木滞在記(10)

お盆ですね
里帰りの人々の気配をかんじる
スーパーの品物が充実している

暮らしと絵はひとつの歯車になり 朝から晩までくるくる回転しています
いろいろなことがあるけど 立ち止まる暇がほぼなく
自転車で走っているときなどに ふと 言葉が浮かんで来たりする
それ以外は 感情もこだわりも 流れていきます

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船へのあこがれ
船が水面にうつる景色をひっぱっている

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海への坂をおりてくる私 すごい急勾配でいつか油断するとそのまま海に落ちそう

 

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朝 海で絵を描いていたら 海の方から「おーい」と聞こえて みると

カイエン君が船に乗ってた 釣りをしてた かっこいいと思った

海からの眺めはどんなですか

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上から絵をみると 船みているみたいなきもちになる

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津奈木の海はじつはあまり晴れない 中国からのPM2.5とか なにかもやもやとしたもののせいで だいたいはもや〜と晴れる
夕方も朝も
でも時折 驚きの色を発する   これは朝 浮かぶ船がまたグッド

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でたー 鹿島君

横浜から旅をして遊びにきてくれました 鹿島君のことは大学生のころから知っているけれど 会うたびに太ってる 新婚ほやほやでさらに太ったなおい!

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海へいく

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入ってみたものの ふじつぼが痛くてすぐ退散

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海からみる絵はこんなかんじかあ

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この日は夕方から津奈木の夏祭りだった

いつも海に絵を描きにいく時間に お祭り会場までいくとき

津奈木にきてこんなに綺麗な夕日はみたことない!というくらいの夕焼けだった

夕立が二日連続であって 空のもやもやがとれたのもある

海にかきにいけなくて残念!

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いてもたってもいられず お祭り会場の近くの海にきてみたら ハワイみたいだった 鹿島君も大喜び しばらくビールなど呑んで夕焼けの素晴らしさについてなど話した

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花火や盆踊り たくさんの人 この日ばかりは 気をゆるめ

ぼんやりいろいろなものを見渡す

 

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その後 いさやまさんの家にお邪魔し 鹿島くんも一緒に呑んだ

人の家って居心地いいな〜

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夜 鹿島くんと 春に私や笑平くんが主催した寿町での鹿島君の結婚パーティのときのDVDをみる ほんとうにいいイベントでした この写真は

「乾杯」を歌ってるところ
津奈木にいて 横浜のことを思い出す時 時空がゆがむ ここはどこだ。。

人は移動する 色々なところで出逢い直す それが面白いし嬉しい

津奈木をでたら 私もまた 津奈木と 人と 出逢い直せる 今はまだ渦中だけど

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鹿島くんは 石田さんとも仲良しに

ありがとう 来てくれて

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夏祭りや朝市や 大忙しだった石田さん さすがにおつかれか

アトリエにやってきてゴロゴロ  おつかれさま

 

 

 

海にかきにいくと 最近いろいろ起こる

人が人を連れて来る みたいな現象がよく起こる

いさやまさんに連れ出された飲み会で出逢ったマラソンランナーの人に 道で会い

そのまま走って海までみにきてくれた

同じくいさやまさんに連れ出された飲み会で出逢った整骨院の先生と仲良くなり

たまにからだをほぐしにいくようになったが

そこにきている患者さんの女の人が海にみにきてくれた

長崎の島原から津奈木に働きに来たらしい

どこで働いているの?と聞くと

水俣病研究センターです と言われて驚いた

私が毎日海からみているあの山の上の建物

夕焼けがそこだけ反射し太陽のように海に光の線をひくあの研究所

絵の必然と 暮らしの必然がリンクしてくる

思わぬところから

そこに何を見いだすのか どう脈絡をたてるのか それぞれの想像力にかかってる

わたしは今の暮らしに 風景に 脈絡を立てて 絵を描いていく

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津奈木滞在記(9)

ギャー 八月になるぅ

心は修羅です からだはほころびはじめています

ぎりぎりのところで心と身体をコントロールする要は

良い展示をつくりたい その光だけだとわかる

それでも七月後半 なんとか光はみえてきたようで

今は少し落ち着いている ガンバ大阪

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こんなかんじ

 

少し前ですが 夜灯 第三夜「夕暮れの波を線引く」というワークショップをやりました

またまた海で

前回は一人一人 海を追いかけてもらったけど

今回は わたしが描いている絵くらいの大きさの一枚の紙に

つぎつぎ流れ来る波を 描いていくというのをやりました

色も刻々変わる夕方の海 ひとりで描いていてもなかなか追いつけない波を

みんなで描いたら それぞれの固有の線が 海そのものになってすごい

嫉妬した すごく良い絵ができあがった

 

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まずは海水を汲みます

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トップバッターはカイエン君 白い紙に線をはじめにひく緊張感はだれでも同じ

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もうすでに良い 線ってほんとうに不思議だ

正解も不正解もないのに 良い線は良い

波をとらえるため 海をみる

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最近 すごく晴れた夕方には 水俣病研究センターが信じられないほどそこだけ

太陽を反射することがわかった

そしてその反射の光が海に縦の線を引く この線がでるのはおよそ5分間だけ

この日はでた! でもうかうかしてたら消えちゃって描けなかった

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この日は色々な大きさの筆を用意した おもしろいほど長い筆でかくエナちゃん

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みなの一筆一筆に 自分にないものを感じる どれも良くて

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光る研究センターもちゃんと描いた 山の色とのコントラスト

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できた

最近海をみていると 海は物質 と思う

そして 海は心象 とも思う

現れた瞬間別のものになって 繰り返し繰り返しするけど 同じ瞬間は二度と無い

心象という物質の集合

沢山の人が自分の線を引くことで その海に近づいた気がする

一人で描く海は どうしても私の心象になってしまって

海の本質からは遠ざかっている そんな気がしてすこし寂しかった

でも 私の目が決めたところの絵を 描くしか無いと思う

 

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楽しくって写真撮り忘れたけど 沢山の大人も線をひいてくれた

はじめは例のごとく私は絵は描けないから と言う人たちも

いざ筆を手渡すと 紙をまえに覚悟を決めたように向き合う

慎重に おそるおそる 一筆を置く

その姿をみるのが好き

近所に住んでいていつも犬と見に来てくれるこの奥さんは

私は描けないといつもいってたけど この日 みんながもう描き終えて談笑しているときに 暮れかけた光の中 ひとり描いてた 山を

感動した

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いつも松田さんは お母さんの手料理をもってきてくれる ビールももってきてくれる 海で食べたり呑んだりするのはたのしいなあ ありがとう

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石田さんが こどもらを急かして つなぎ音頭の練習 もうすぐ夏祭りだね

ちなみに石田さんは 波の線を引くのもめちゃ速い

皆が一本引くあいだに5本くらい引く

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花火もした ささやかな夏祭りだ 夜灯祭りと名付けよう

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夏の夜って楽しい

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船が近づいて来る

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林田ひろみさんが赤崎から船できた!

海から登場するの超かっこいい 船はみんなあこがれ

颯爽ときて ビールで乾杯して しらすを食べて 颯爽とまた帰っていった

お祭りの山車みたいに華やいだ

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最近は早朝5〜7時まで海に行って描いている

朝は涼しい この変な雲には驚いた

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どうなるかな わたしの海よ

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あ でました 美術館にコイキングです そんなにやってませんよ

ポケモンGO

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満月の引力

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動けなくなる

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景色に見つめられるような瞬間がよくある

どんなに疲れていても 明日も早起きしなきゃ とか思っても

見つめてしまう景色がある

こころのどこかで それが大事とわかっている

 

 

朝と昼と夜しかない 当たり前だけど 今の私には今日一日しかない

夜寝る前に少しだけ 明日のことを考えるけれど それしかない

ロッククライミングをしているような感じ

 

 

津奈木滞在記(8)

梅雨が明けた

朝から晩まで 常時オンで生活している

日記にかきたくなるような素敵な出来事は毎秒のように起こっているんだけど

それらに比べて 絵のすすみはなんてもどかしいんだろう

うへー! つべこべいわずにやります

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ある夕方 海にいくと こどもらが「もぐらをみつけた!」と興奮している

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土に同化しているけど もぐら 海でもぐらをつかまえるなんてすごいね

飼いたいといって もって帰っていったけど 後日聞いたら夜に逃げ出したらしい

もぐらも命拾いしたね

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夏の空ってかんじ 季節変わって 海その変化 追いつけない

絵が まったく追いつけない 発想の転換が必要だ 悩む 苦しい

海はいつもわたしの絵なんかより圧倒的に美しい 足りなさすぎる

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二度目の熊本市内行き くまもん電車 びっしりくまもん

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なにその顔!

 

 

熊本では 去年のつなぎのレジデンス滞在者 武内明子さんと会った

楠本さん石井さんと 「ねぎぼうず」という最高にいいかんじの飲み屋で呑んだ

ひさしぶりの居酒屋に 笑いが止まらない

帰り 大雨で電車がとまっていた 仕方なく新幹線で新水俣まで帰りそこからタクシーかなあ と思っていたら石田さんから電話があり

「雨だいじょうぶね 迎えにいくばい」

夜遅くに帰宅する娘への気遣いのような優しさ 自然なやさしさ

ありがとう

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同じく婦人会ほんださんからもらったパン

婦人会には6人の女性がいるが 全員がお母さんみたいに思ってきた

なんでもひとりでできる年齢だが 母のやさしさはその隙間に染み渡るようで

相手のことを静かに思う なんというの そういう種類の優しさ

わたしにはまだまだできそうにない

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ひょっこり 朝はクロが家をのぞく おはよう というとエサエサいう

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すごく晴れた夕方 こりゃいいぞ と海にいくと いつものこどもに加えて

天気がいいんできました という大人 いさやまさん 斎藤さん 松田さんがぞくぞく海にきて 「晴れた夕方は海で集合!」という暗黙のルールみたい

美しい海をみなでみる 絵を描く気になれない くそぅ

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海が人を出会わせる不思議

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松田さんがビールもってきてくれた! ここで乾杯したいといつも願ってる

さいこうなんだよ

 

 

このあと 松田さんと 林田ひろみさんの家におじゃました

林田さんは漁師さんだ

わたしがはじめて 笑平くんと津奈木に遊びにきたとき 家に泊めてもらった

林田さんちは特別だ 初対面でもなんでも 家で一緒にお酒を呑む

呑んでたら地元の人もどんどんきて その夜は宴会になった

その印象が わたしの最初の津奈木の印象

今回改めて津奈木に来て まあ会えるだろうまた と思っていたけどなかなか会えなかった!

いつも絵を描いている仮止(かっど)という地域からさらにいくと

赤崎という地区にいく 夜のみちをはじめて 赤崎まで自転車でいった

いつもみていた海や島のかんじが 赤崎にくるとまたぜんぜんちがって見え

視界がひらけるようだった

林田さんちにいくとなんかなつかしく 今朝とれたしらすを頂きながら呑んだ

ちょっと一杯 のつもりが案の定遅くなったけど 再会できてよかった

今度船で仮止まであそびに来てくれるそうだ

 

からだへろへろ くたくただったけど 帰りの道

なんとついに!!!あの 高速道路のへんなきのこみたいなコンクリートに

橋がかかる まさにその瞬間にでくわした

道路を通行止めにして 深夜にひっそり行われていた工事

その見た目 出来事にこころうばわれてしまい 橋がかかるまでみてしまった

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シュールな光景だと思うんだ

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けっこう見物人がいた

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人がいる 人がやっているんだ 信じられないかんじだが

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ついに橋がのっかって 謎の門が津奈木町に出現するまでのあいだ

いろいろなことを考えた 変かもしれないけど たくさんの矛盾した心象が

こころを巡った

すごい速さでなにかが変わっていく怖さみたいなのと

謎の造形の 象徴みたいな門への 畏れと 喜ぶきもち

人間がこれをつくることの勇ましさ

戻れない 戻らない

田んぼにカエルがなく のどかさの中の工事

これが現代の わたしたちが生きる風景じゃ という感覚

外にあわられる景色だけれど 田んぼもカエルもコンクリートも月も

ぜんぶ自分が内側に持っている感覚だ というかんじ

丁度選挙もおわったところだったし 世界 というか 人間の仕組みの業みたいなもの

でも最終的に一番記憶に残ったのは 人

コンクリートの上に乗って おそらくはずいぶん前から その人の日常の時間の中でコツコツ積み上げられて 今夜 そのコンクリートの上で橋をかける作業をする人間の小さな姿

それを見上げる人たち

良いとか悪いとか 言えないけど 心のスクリーンショットに場面ごと記憶した

今 道路という役割がなく ただかかっている橋に 哲学をみた夜でした

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しばらくは これが津奈木のあたらしい風景 わたしの暮らしに入り込む

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朝 海で一緒に絵を描きたい というこどものリクエスト

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朝描いてたら 陽が山から差して来て 7時以降は描けないと知った

まったく色が見えない きらきらしてすごいんだけど

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仕方ないから 遊ぶ

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生活のすべてが絵に成っていくのをかんじるほど 追いつかない筆に焦りがつのる

だけど はやくどうにかすることはできない

ひとりの人間にできる一歩は 小さいんだ

それもまた思い知る

それでもあきらめずに生きるしかないよね

話が壮大だ

 

 

 

 

 

 

 

津奈木滞在記(7)

梅雨明けはまだかね

晴れの日がつづき 朝から美術館 夕方から海へと一日がめまぐるしい日がつづく

こんなに毎日描き続けているのに 完成していない作品ばかり

ひー!ってなるときがある なってもしょうがないんだけど

 

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たまたま東京から熊本にボランティアにきていた男性がつなぎ美術館にきて

「東京からパン送りますね」と言われていたのだけど ほんとうに送ってくれた

ありがとう すごい

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早速昼ご飯にみんなで食べた 最近は それぞれの畑で穫れたきゅうりやトマトをよくもらう 家庭菜園をみなふつうにやっていて いいなあ

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裏のおじいちゃんがしばらく入院することになり 猫の餌やりをやっている

はじめは なんだこいつ というかんじでいぶかしんでいたクロだが

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最近は朝 家の境目のところで待っている

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煮干しをちらつかせるとこんな顔

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ニャアと鳴いてエサエサいうのが可愛い

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いつも朝夕 海にいくときに通っていた道が高速道路の工事で秋まで通行止めに

がーん

この道が気に入っていたのに

ここからみえる景色の絵も描いていたのに

高速道路の橋が かかるんだなあ 景色は知らない間に変わる のではなく

着々変わっている つねに見ていると この変化は劇的すぎる

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この キャシャーンととんがったかたちがかっこ良いしなんか怖かった

この下を通る時 いつも 巨人を見上げるみたいにみていたのにな

周辺の土が掘り返され 地面 地球の荒々しさみたいなのも露出してた

通行止めになる前日に撮っといた写真

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なにもなかったところに水が張られ 稲が植えられたりもしている

田んぼをみると 去年の倉敷での滞在にむすびつく

自転車で毎朝 田んぼ道を通ったこと

津奈木と倉敷 ワープの扉

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最近は この二人の兄弟が毎日海で待っていて(?)くれる

この時間 つねに奇跡みたいに美しい

でも二人はまだ 自分がその美しさの中に居ることに気づいていない

それがまた愛おしい

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弟は身軽でおさるさんみたい

 

 

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描いてみたい というので 描いてもらったら

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すごくいい線で 自分の線とぜんぜんちがって 驚いた

 

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なるべく消さないよう 描き進めている

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海の漂着物でつくるインスタレーション

この美しさに感動

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実物は 夕焼けに照らされて 波の音がして 風が吹いてて

ぜんぶ動いていて その中の 儚い美術 ってかんじで

写真ではその100分の1も捉えきれない

なるべく全身で記憶した すごかった この時

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潮の満ち引きで 漂着物コレクションが流されないように 帰り際には毎回インスタレーションは解体される

それがまた 人間の営みってかんじがして 良い

潮が引いたら集めてつくる 潮が満ちる前に戻す また新しくつくる

 

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昼の海も良かった 暑かった ジリジリきてる

 

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昼は絵も昼の海に見えるなあ

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夏の空になってきて 山や空が濃くなってきた 変化をかんじるけれど

捉えきれていない部分が多くてもどかしい

 

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釣り人に憧れる 海をもっと知りたい

 

良い絵を描きたい ほんとうに良い絵を描きたい

その想いだけが もくもくと熱量をもってふくらんでる ふくらみすぎている

わけのわからないエネルギーが こもっていて

消化できない せっつかれる けど どうやって絵にしたらいいのか

手が追いついていない 焦っても駄目 でも もっと なんか 足りない自分の

枠がまだうまくはずせない

足で描いたりしたらいいのかしら ちがうちがう

もっと 一筆入魂

津奈木滞在記(6)みんなで海を追いかけた日

おは

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ようございます

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七月ですね 蝉がうっすら鳴き始めました

すごくひさしぶりに 前髪を オン ザ マユゲ にしました 失礼しました

 

もうすぐ選挙ですが 東京に帰れないので 初めて 不在者投票というのをやってみました

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この封筒をもって 津奈木の役所に行ったら 不在者投票がめずらしかったため

みなでおそるおそるやりました

投票会場って すごい 私語とかしちゃだめなかんじが東京ではあったけど

石田さんの息子さんが役所で働いていて あ どうもいつもお世話になってます!とか 絵のはなしとか なんか雑談ばっかりしながら投票しました

 

帰り際水たまりで自転車が横滑りして倒れたけど スタントマンみたいにピョーンと飛び降りてスチャッて着地した こんなことできるんだ 無傷 !

 

 

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美術館には定期的にあそびにくる人が何人かいる そのうちの一人

前川さんが 自作の 竹でつくった筆入れをくれた!!北斎の波の絵がほってある

すごくうれしい 可愛い

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モノレールにのって帰って来る岩崎さん なんか良いんだ

 

先日 日頃お世話になって いろいろ食べさせてもらっているみなさまに声をかけ

インドカレーをふるまう会というのを我が家でやりました

無限カレーとかちがう

つくるのに3時間かかった スパイスをつかったカレーですよ

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たまねぎ10個みじん切り

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色々入れた カレーづくりは楽しい 絵のことをわすれた時間

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わ〜 パーティだよ

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カレーパーティだといっているのに カレー以外の差し入れが充実しすぎていて

もはやカレーいらないのでは?というぐらいたらふく食べた

キビナゴの刺身とか天ぷらとか赤飯とか お正月のよう

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下川さんがお土産にくれたあの「コバルトアイス」お持ち帰り用!!

これはほんとうに美味しいよ みなに勧めたい

 

さて そんなかんじで 過ごしていましたが 梅雨真っ最中ということで

ぜーんぜん海に絵を描きにいけない

雨がざんざん降ると いつも捨てられた子犬が段ボールにはいっている姿を思い浮かべるかんじで 海辺の絵のことを思っていた

6月30日 朝から雨

この日は 美術館主催の夜のワークショップ

「夜灯 第二夜 夕暮れの海を追い描く」が行われる日

海で絵を描いている時 ほんとうに得も知れぬ感覚がさざ波のようにやってくる

それは 嬉しいも悲しいも寂しいも なんもかも含んだ 美しい というのがまあ一番近い 衝撃の感覚

日が沈むまでは その波をなるべく絵に写し取ろうと必死で手を動かす

でもふとしたとき だれかとこの今を一緒にみたい!!と 願っているときが有る

そして いつのまにか夜が忍び寄って来て 夕方と夜のあいだの時間になると

ああ 今日が終わってしまった

と思う時 ほんとうに寂しくて となりにだれかがいたら ビール呑んで 夜まで一気に飛び越えられるのに と思う

そこで ワークショップで みんなでこの 海をひたすら追いかける時間

追いつかないけど追いかけることを一緒にできたらいいな

そして それが終わったら 夜を楽しむように そこでごはんを食べたり呑んだりできたらいいな と思って「夕暮れの海を追い描く」ということをやることにした

だのに雨 雨〜〜

わたしはこの日 美術館で絵を描きながら 雨雲が西から東へなるべくはやく流れるように念じていた

夕方まで雨は降っていたけど 空を睨んだら 雲がすこしはやくサササッと駆けていくのが見えた

参加してくれる婦人会のみんなが 「晴れてきたばい!」といってくれた

みんな すこしづつ晴れをねがってくれていたのだろう

17時 美術館をでると 西の空が明るい!!!!

雨上がりのきらきらした空気 もう そわそわして いてもたってもいられない

いそいそと海へいく ずっとドキドキしている

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雲が 空が

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はじけたこどもの銅像も小躍り

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この坂をまがれば海がみえーるんだよ

電動アシスト自転車だから楽々のぼれるけど さらに立ち漕ぎしてのぼった

海へいくときはいつも音楽を聴いている

歩いている人もほとんど居ないから 大声で歌っているのだけど さいこうに気分がいい

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いつもよりはやい時間についた まだ日は高い でも晴れた晴れたー!

 

近所に住んでいる少年がおーい!って遊びに来た

とてもかわいい パズーみたいな男の子

私はこの子が海にきてくれるとほんとうに嬉しい

別に絵をみてるとかじゃなくて 海でわかめを拾ったり

好きに遊んでいるだけなんだけど

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この少年が来たあたりから 津奈木にきて一番良い日 が始まった気がする

ぜんぜんブログでは伝えきれないけど

すべてが星の巡りみたいに美しく 軌道にのって 胸が高鳴るけど

静かなきもち というような 生きる中でたまにしか訪れない

特別な時間のはじまり

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蟹 葉っぱをはさんでる

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これは別の日なんだけど(引き潮の時) こんなかんじで海に没頭している少年 すきだ

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この時は死んだクラゲをもってきた ぐにゅぐにゅだった

 

この日は本当に 大切な日だった 今思い出してもからだがぽわーと熱くなる

パズーみたいな少年が自分のルールで海で遊んで 石や蟹を拾っていて

私が上で絵を描いていて 空がだんだん輝いてきて

風がたまに吹いて

夕食の支度の気配がして

少年のおじいちゃんが上から 「温泉いくぞー!」って半裸で降りて来て

少年が 「俺今日温泉いかーん!いきたくなーーぁいーーー!」って言って

おじいちゃんが 「オウ、そうか」って言っていなくなって

また 海で遊んで 私は絵を描いて それぞれ 存在して

なんか まるっきりジブリの映画の美しいひと場面みたいなんだけど

そこに 自分も含まれている 「美しい調和の世界に 自分も一粒の役割としてそこにあたりまえみたいに含まれている」

そういう おおげさに言えばそういうかんじになって

海からくる波に 涙がこぼれそうになる そういう時だった

言葉でうまく伝えることができないだろうという悲しさとか恥ずかしさがあるけど

それでも自分へのメモとして 書き記す

そこから どのように どんな絵を描けるのか ほんとうに描けるのか

不安とふがいなさでいっぱいだけど とにかくこの時は

津奈木にきて一番大切なことが見えた時間だった

 

このあと その世界に たくさんの人が来る

ワークショップ参加してくれる津奈木のみなさま

いいところやね〜! 海ひさびさにみた〜 など言いながら

もう うれしくてうれしくて。。

こどもみたいに はしゃいだと思う

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みんなで海を追いかける

絵を描きます というと みんな怖がる 白い紙 まったくの自由

鏡にうつる自分をまじまじとみるようなかんじ わかる

絵を描くことが怖い という感覚

でも 海を眼で観て なにか遠いところから伝わって来た波の信号 色の信号を

そのまま紙に書き写す

そのくりかえしをやってほしいと思った

でもその 反射的に受け取る信号の受け取り方というのがひとりひとり違うこと

だから 絵にはその人の人となりがでてしまうこと

どうか怖がらずに楽しんでほしいと願った

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描いている時 だれもしゃべらなかった

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冗談やごまかしのおしゃべりがなく 30分ほどのあいだだったけど

本当に感動する時間だった

わたしもとなりで絵を描く

この感覚をどうあらわせばいいんだろう?

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もう 光の信号がチリチリした砂嵐みたいになっても なかなか描き終えなかった

変わってしまうことで どんどん色が混ざってしまったり

思うようにいかない悔しさも含めて わたしがいつも一人で味わっている

絵に向かい合うときのさまざまな揺れ

それを同じ場所で 同じ時間に 経験できた

絵を描く(ライブバージョン) というかんじ

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ひとりひとりの絵は ぜんぶちがう そのことに対する驚きと

もっとこんなふうに描きたい という欲と

美しい一瞬と

海を描いていたはずが 自分 みたいになってしまうことへの戸惑い

夕日が沈んでしまって 今日が終わる切なさ

みんなと一緒に いれたこの日がまちがいなく津奈木にきて一番良い日

このあとビールを呑んで みながもちよってくれた ごはん だんご 蒸しパンなどをつまみながら 夜の小さなお祭りみたいに

まさに 夜灯みたいに ひとりひとりが 小さく光って集まった

そんな日でした

帰りの道 みなが車で私を追い越していく中 自転車で一人

走る夜道は 興奮して 眠れそうにない

ぜんぶのものがよく見えて あらゆるものがあって その中に 宇宙の塵みたいにちいさな自分がいるけど 小さく光っているような気分 堂々と小さく 光っているような気分

 

はあ 文章かきながら微熱がでた

さあて7月だ!この壮大な想いとはうらはらに なんてもどかしい毎日の作業!

到達するにはほど遠い

でも それでも今日一日 朝が来て 夜が来るまで あきらめない

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津奈木滞在記(5)

家のお風呂ボイラーがとつぜん壊れました 温泉通いの日々です

 

津奈木にきてはじめて ひとりで電車に乗って熊本市内まで行ってきました

遠山監督の映画「マジックユートピア」みるためにいきました

いやー 都会 地震 人 熊本城 市電 めまぐるしい一日 のち 日常

雨 大雨 海の絵はだいじょうぶだろうか?もうしばらく行ってない

 

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津奈木町にあるたくさんの銅像のうち こいつが一番お気に入り

タイトルは「まつり」

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裏に住むおじいちゃんとこの猫 クロ もうだいぶ高齢

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石田さんが ボトルキープしてる焼酎をついでくれる図

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熊本市内に行く日 快晴!おれんじ鉄道からは海がきれいだ大興奮のおのぼりさん

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何その顔 くまもん

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蜂楽饅頭のお店で食べられる「コバルトアイス」

かき氷好きのわたしの中で94点 すばらしい!安い!また行きたい

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まちをうろうろしていると偶然こぶしファクトリーがまさにナウでライブ中だった

この感動をわかるのはハロプロオタクだけ

入りたい欲望をなんとかおさえた

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いきなりくずれているところがたくさんあった 熊本城付近は有る意味壮観だった

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加藤清正の神社 行けるように整備されていて わりと人が居た

はじめていったけど すごいところだね 熊本城

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ガイドしているおじさんのはなし聴いてたら

人が残したくなるものだから人が残してきた と思った

すごいもの おもしろいもの 美しいもの

残す 伝えていく という意志がつづく ということはすごいことだ

 

 

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23時半に津奈木に帰宅 夜のおれんじ鉄道

 

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いやー 映画館で映画自体ひさしぶりで どきどきわくわく

映画をみながら 自分の絵のこと 些細な機微 心象の揺れ

そういうところまで光が届く そんな映画だった!みにいってよかった また 自分の制作生活に帰ってゆく その決意をピリッと新たにした

帰り道 すべての場面が 映像として再生できるくらい 画として記憶した

 

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朝 雨 たった一日津奈木を離れただけでも 自分がシーンとして

内側にもぐっているのがわかる それもいい だけど起きて美術館にいく

 

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たまねぎをむく婦人会

美術館にいくと 開く 全部のじぶんの毛穴とかまで 開いて風が通る

通らざるを得ない

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「こうふのまちの芸術祭」だしてましたよね?と話しかけられた

ごみふみこの後輩だった

美術館では いろいろなことが起こるなあ どこで巡り会う ソレワカラナーイ

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雨 川の水が暴れ狂ってる 怖いけど 見つめた

 

すべての日常を絵にむすびつけていく 含み込んでいく

ますます引き締めて

 

津奈木滞在記(4)

 

 

 

 

津奈木へ来てひと月がたちました

数日前に地震で揺れた

絵に成る暮らしは順調 でもずっとあるもどかしさ

暮らしの一瞬一瞬 すごくおもしろいことや 美しいもの

あーいますごい! と思うことが 毎日やってくる

でもそれは 改めて文章にしたりしようとすると なんかうまく言えない

金の砂粒がサラサラ〜て手からこぼれ落ちるみたい

だれに というわけではなく でも ほら!みて!すごいよ! と言いたい

写真でほら きれいでしょう? といってみせるとかじゃない

もっと複雑で多様な 波のような怒濤の連続の途切れ目の無いなにかが

ずっと押し寄せてきているかんじ

全くいえん

でも 絵を描いて展示をして 絵をまえにして語りたい 絵を軸にして想像したい

感動すると人についしゃべりすぎてしまうけれど

言葉でわーっと話した後 なんか できそこないの写真みたいにうまく伝わってないことに落ち込んだりしてたけれど

絵のまえでなら 絵が根拠なら きちんと話せるということ

伝えられるということがわかってきて

図と言葉で 寄せ来る波のように表していこうと思いますばい

(婦人会のみなさまと喋ることが多いからだんだん九州弁に戻ってきたばい)

 

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美術館のエントランスで健康体操する婦人会

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石田さんは食べるのも行動するのも決めるのもぜんぶ速い

風のようにうごきまくる

電話して人を呼んだりとかもすばやい 尊敬

 

 

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美術館にはなぜかたまに豆腐売りがきたり お魚を届けてくれる漁師の奥さんがいたりする 美術館の なんでもあり感がすごく発揮されている

鯛がやっぱりすき!

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石田さんが 「食べ物があまれば幸田に届けろ」という声かけを実施しているらしく もらえた手作り弁当 すごい

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なんと プールの常連客 宮本さんから北海道土産が届く 東京からも差し入れ

 

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ある晴れた夕方 海にいかず重盤岩にのぼってみた

写真でも言葉でも言えないすごい瞬間があったから 描く

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最近雨だからって油断してると夕方いきなり晴れたりする

海に!いかなきゃ! 慌てて飛び出す

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今一番関心があること アスファルトって何色なんだろう?

夕方のアスファルトってすごいきれい

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海辺 近所に住んでいる奥さん たまに犬ときてくれる

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昨日は修さんがよさそうな自転車に乗ってみにきてくれた

晴れてる夕方は海に居ます 海で会いましょう(缶ビールがあるとなお良いです)

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この日 アクリル絵の具用の水をもってくるのを忘れてしまい 海水を汲んだ

絵にはあまりよくなさそうだが 目の前に大量の水があるのはありがたい

汲みながらなんかみずちゃんを思い出した

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色々な角度と視点から津奈木をみて描いている

道を歩くと自分の絵の視点が一緒に見える うん…これぜんぜん言えないうまく

自分の絵のせいで まちが あふれ 同時に認識し

晴れと雨 朝と夕と夜 色 いっこのものに含まれる情報?記憶が多面的に同時に見える 日々変化するものも捉える あー うんと まだ ぜんぜんだめだ

展示で伝えられるようがんばろう

 

津奈木滞在記(3)〜制作リズム編〜

いよいよ梅雨入りですね

雨が降ると海に行けない 仕事ができない なーんてね ほかにもやること沢山

 

先日 家の隣にある津奈木中学校にぷら〜っと見学にいってみました

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アサイくんの作品もあるよ

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学校に入るなんて いつ以来だろう あたまがくらくらした 職員室こわい

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まずは美術の授業を見学 ポスター制作 やったなあ

このあと 道徳の授業も見学(というか参加)

丁度水俣病についてのお話で だれよりも真面目に授業を受けた

学校!学校よ…!今受ける授業はほんとうに面白い

だれかになにかを真剣に教わる しかも全然知らないあらゆる分野を

先生と対面しているって 心強い 先生 って すごい

でも となりの席の男子は給食まだかなーて言ってた その気持ちもわかる

オトナになったのだな 私

道徳の授業で班に分かれて意見を言い合う場面ではりきりすぎてクラスメイトにクスクス笑われたりしましたがそれでもめげませんでした

しかしあれだ 中学二年生とかいって もっと思春期まっただ中というか

反抗的だっだり 斜に構えていたりしたような気がしていたけれど

津奈木中学校の子たちはみな まぶしいくらいに素材そのものがピカピカしている

先生の問いかけにすかさず答える みな 先生にきちんと対面している

恥ずかしさから もじもじしてしまうことはあっても

きちんと聴いている 向かい合っているし 素直に反応している

いいな すごくいいな と思った

いきなり現れた謎の絵描きにも みな チラチラこちらをみて 微笑んでくれたりする 話してくれる

学校生活はすごく忙しくて 50分の授業はあっというま 次から次へ授業がやってきて ここ10年くらいは自分のペースでしか生きてこなかったから

は、はやい!こんな次々いろいろなものを吸収できないよー というかんじ

スマホのタイムラインを高速で読み解くくらいの速さ

忙しいんだね 中学生

さてその後 校長が給食食べてけば というのでやったー!給食食べた

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きちんとシステムができあがっている

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なんか少なく感じたけど食べたらちょうど良かった うまかった

給食食べるの17年ぶり…と言ったらクラスメイトに引かれた 自分でも引いた

また授業を受けにいこうと思う 音楽とか体育とかもいいな

国語もいいな 英語もいいね 昔嫌だったなにもかもが 今面白い

 

さてさて わたしの津奈木での生活サイクルがもうほとんどできあがり

毎日どこかで絵を描いています その流れを振り返る

 

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天気予報で晴天になりそうな日は 朝4時に起きてみます あたりはまだ暗く

ほんとうに晴れるのか ドキドキしながら4時半に家をでる まちは眠っている

自転車で 肌寒い中を海の方へ

途中に見える川 コンクリート 畏れる気持ち

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しかし 5分ほど走っていくと 朝の気配がやってくる

空が 山の方角から明るみ始めて 冷えたからだに少し暖かさを感じさせる

この 夜と朝の境目がすごくいい!

見えるものが変わってく瞬間 怖かった夜の川が 柔らかい水の流れに感じたり

眼からこめかみのあたりに光を感じると 脳みそが目覚めるような

 

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橋にある金の彫刻がね 夜明けが一番綺麗なんです 昼間にみるのとはぜんぜんちがう 人間の希望みたいな 船の灯りみたいな

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走っている間にこれくらい明るくなる

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海で描いている絵に対面

朝は 描かない 海をみて ぼんやりする 紙にドローイングをする

夜明けと満ち潮が重なる晴れた日の朝だけ 海に行きます

行ってみて晴れない日もある でもとにかく この 夜明けに動き出す日 というのはとても大切な気がする

貴重な時 どう作品に影響して来るかな?まだ未定

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晴れるとだんだんすごくなる だれかに伝えたくなる

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6時すぎにはこの明るさ 夜が明けました!

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家へ戻る道はあらゆるものが煌めいていて おはようございます!!と叫びたい

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山から日がのぼって

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新幹線の線路の淵が光って

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夜は怖かったコンクリートが可愛いきのこみたいになって

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一日がはじまります 去年大原美術館にいたときに買ってもらったラジオ

もってきてます あのときの生活サイクルで聴いていたラジオを同じ時間に違う場所で聴くと 不思議なきもちになる

とりあえず朝はNHKラジオで「すっぴん」を聴いています

朝ご飯を食べて 少しだらだらしたら

10時

家から2分 つなぎ美術館へ行きます

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エントランスで公開制作している絵 高さがありすぎて凹んでいたけれど

今はめちゃくちゃ楽しい! ここで夕方5時まで過ごします

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なが〜〜〜〜〜〜い筆 面白いけどあんまり使い道ない

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お昼は石田さんたち 婦人会のみなさんと 美術館の喫茶室で食べる習慣に

みなのおかずを横取りして 頂いています この時間たのしい

喫茶室から見える重盤岩(ちょうはんがん)緑が眼に食い込むー

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人とも話すし すごく風通しのよい制作現場 ここが一番はかどる

 

そして5時に美術館が閉まったら家へ帰り 夕ご飯を食べます

だらだらしておると あ!夕焼けだー いかなきゃ海へ

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日が長い 6時すぎではまだ黄金の空

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夕焼けへの期待が膨らみます

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金の彫刻がさらに輝く

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オレンジになりかけている

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今の時期だと 18時45分から19時15分のあいだ 海がもえるような

綺麗な時間になる その時がくると 慌てて描く

脇目もふらずにみるみる変わっていく海の色をなんとか書き留めようと必死になる

こんな高速で描いたこと無い ライブペインティングって苦手でほとんどやったことないけど たぶんそのかんじ イヤホンで音楽を聴いている

だれもみていない中 ひとりライブペインティング大会

まじ必死

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すごく不思議なことなんだけど 山の上に見えるのが水俣病研究センター

そこの建物がピンク色に光り始めると描き始める合図になる

そして建物が影に入る時 絵を描くのもおしまいの合図

ほんと そのあいだだけ 一番綺麗!

 

と、ひとりせかせか描いていたら 後ろに石田さん夫妻がいてびっくり

こっそり観に来ていた

描き終わるのを待って お茶とほうらくまんじゅうをくれた

だれかとこの景色をみたかった 伝えたかったから 一緒に夕日を観れてうれしかった

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海と絵が 同じように暮れていく

 

家に帰る 帰りのみちはすこし寂しい

そうそう 無限カレーやっと作り始めました

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雨の日 美術館が休みの日 今日は人に会いたくない日 などは

家で絵を描きます

床の間をアトリエにしました だらだら自分のペースで過ごしながら

ああでもないこうでもない と描く 海や美術館での制作とはまた違う

静かで沈んだ 小さな粒を拾うような制作

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今ははじまりの絵を描いている 地図を描いている

 

こんなふうに 暮らしの中に絵を配置して そこのあいだを色々な時間 天気 季節の中往復する

それぞれの場所でしか出逢えないもの 人 光

そしてそのときの心象

それを反映していく絵をかけたらいいなと思います

生活そのものが 絵に成っていく

絵があるから 生活に成っていく

そのあいだに見えてくるものが無限にあって どんどんこぼれ落ちているけれど

どれだけすくえるか どれをすくいとろうか 常に選択している

限られた時間の中で わたしが選んだものが 絵に成るんだなぁ

 

 

 

 

 

 

津奈木滞在記(2)

出来事がおおすぎる!暮らしも制作も!

絵の制作をはじめた 美術館 海 家 の三カ所で同時に別の絵を描き進めている

絵を描く場所を変えることで沸き起こる感覚

移動の路 海へ行くための時間 天気 潮の満ち引き 昼ご飯

大きな運動のような絵 景色とにらめっこする絵 静かにこもり床の間で描く絵

それぞれのことと時間を組み立てると 一日が勝手に大忙しでダイナミックになる

ただ描いてるだけなのに大冒険になる

 

家でははじまりの絵を描く

地図を描く 自分の暮らし 移動する範囲を あらゆる角度から同時に眺めるスーパー高感度な視点

今まで描いたことないような絵が できあがっていく

わくわくわくわく!!!

もー 津奈木の人と自分の絵にぶんぶん振り回されて一本の棒きれみたい

余計な自我が入る隙がない

ただしっかりと 芯だけ残してあとは自在に動けるように

きちんとリズムをつくって ごはんを食べて 寝る そしたら大丈夫だ

やっと助走がついてきた

一日の朝4時から寝るまでのあいだ ひとつのまちの同じ場所がこんなに変化していくとは思わなかった まちにあるいろいろなものを 時間や海の潮の関係や場所と見合わせると 新しい気づきや思い込みの変化がめまぐるしくて

津奈木町から眼が離せない! 絵を描いていないときも いつでも

町民の登場人物も日ごとに増えて増えて これまた眼が離せない

東京にいるよりも毎時間情報のシャワーをあびているかんじ

それも 流れて消えたりしない 熱量のある情報だ ぜんぶ受け止めるのにこちらも大変なエネルギーを蓄えないと

絵についてはゆっくり落ち着いて書こう 今はまだむりだー

とりあえず写真で振り返る一週間(暮らし編)

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埼玉から自家製パンが送られてきた だいじにすこしづつ食べている

スペシャルなたべもの

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スケさんカクさんが居たときは毎食ごはんをつくっていたけれど 帰ってひとりになってから じつは一度も料理をしていない この一週間 人からのほどこしで生きている 毎日たべものがもらえる わらしべ長者どころじゃない

冷蔵庫は食べ物でいっぱい

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冷凍庫も!

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美術館のスロープの取っ手がとれかけた図

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土日はアサイくんのワークショップがあり 美術館にたくさん人がいた

子供も居た わたしの長〜い筆にまたがりほとんど「キキ」そのものな石田さんの孫 りよちゃん

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私の家の真横は津奈木中学校 そこの懇親会みたいなのに飛び入り参加した

新しくきた新任の先生たち 校長先生 地元の親御さんたちと酒を呑んだ

学校 という場所を 新たな視点からみれた気がした まだ怖いけど 学校

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公民館で呑んでたら。。

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じゃ〜ん 誕生日ケーキがでてきたよ!言ってみるもんだね!ありがとう松田さんみなさん!

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アサイくんが切り分けてくれた

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アサイくんの素敵なドローイングをどんどん駄目にするわたしの

ドローイング

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これ このまちで私が今一番怖いもの 夜や明け方は胸がすくむ怖さ

意味のわからないコンクリートのかたまり 巨大 怖い

三年後には意味の有るコンクリートになる 高速道路になる

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なんと二日続けて誕生日を祝ってもらう 石田さんちでごはん ケーキ!

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ろうそく差してくれるりよちゃん

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きれいだね

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プレゼントもくれた じ〜ン…

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神棚に飾った

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石田さんちに焼酎ボトルキープした

今朝は久しぶりに晴れたので朝4時に起きて海へ行った

今週は天気がいい 海で絵日和にするぞ〜 むにゃむにゃ