津奈木滞在記(11)ついに海にくりだす

オリンピックと甲子園 ラジオで聴いています

最近猫とわたしの関係がまた親しくなっている

IMG_8593

 

軒下から

IMG_8619

 

部屋にあがるように

朝5時に起きて布団などたたんでいると 外からにゃーんと呼ばれる

朝は一緒にごはんを食べている 至福

 

お盆あたりは行事がつづき ビール呑んだり せりふね大会いったり

少しからだをゆるめた

といっても 全力で遊んだ へとへとへと〜

IMG_8528

 

赤崎地区のお祭りにいった 夕方から海で絵を描き 日が暮れてからのお祭り

うきうき 灯籠が港を彩る 火って明るいな 小さいのに 夜灯だ

IMG_8530

 

屋台!ビール! 開田さんや松田さんがやきとり売ってた 林田さんはかき氷売ってた 全種類食べた たのしかった 絵を描いたあとに ちょっと一杯 それが最高にすき 飲過ぎないこと これ大事   お と な!

IMG_8534

 

食べ物をもらうことがほんとうに多い

家に帰ったら冷蔵庫に大家さんから差し入れ

IMG_8607

せりふね大会の打ち上げにひょっこり参加したあとも

オードブルまるまるもらえた 一週間は暮らせる

IMG_8583

お盆の日に行われる せりふね大会

一昨日美術館にきた町長さんに聞いたところ せりふねとは 長崎でいうペーロンのことでした ペーロンという船をつくるのに 津奈木の杉の木は油がのっていて良質だったため 津奈木から長崎へ木を送っていたこと

長崎のまねをしてせりふねを作って イワシを海から加工場まで運んでいたこと

イワシは腐るのが速いので よりはやくイワシを運ぶのを競い合ったところからせりふね大会がはじまったこと

なるほどー だった

現在は 地区ごとに船をだし 競う やはり海沿いの地区がやる気もあふれていて強く 街中は過疎などもあり 漕ぎ手がいない など さまざま

まちの変わり行く今を 実感

IMG_8588

ずらーとテント 地区ごとに   わたしは染竹地区に住んでいるので そこで応援

IMG_8587

中学生の部 可愛い

IMG_8589

乗りました 漕ぐのは無理です 船の先頭に 艇長という役割があり

ただみんなのほうを向いて タオルをふる というやつなのだが これをやらせてもらった

IMG_8590

 

これがもう すごくて。。 屈強な漢たちがこちらに圧をかけてくる!

ひとこぎすると身体が前後に振れるのだが その振れに合わせてタオルをビシッとふる スタートしてから 我を忘れるほど声をはって タオルをビシビシふっていた なんだろうこの体験。。 すごく興奮した

翌日腕がひどい筋肉痛だった タオルふっただけなのに

IMG_8592

強いチームはみなのオールさばきが見事 みな 夜な夜な練習しているんだって

 

 

IMG_8605

 

最近 海の絵を描いていて すごいことが起こる

描いても描いても追いつけなかった海 しばらく 朝も夕も 集中して必死で描いて来て 自分なりの 海のリズムができてきた 完成 というのは ない

展覧会の締め切りがあるから それまで描くだけ

そんな気分で最近は描く 一日一日を 今日で仕上げるつもりで

そしてまた次の日は新しく

そうしたら あれ? 今日の空 絵に似てる! という瞬間がくる

IMG_8606

毎日変えているのに 雲の形が同じだったり 色がぴたっと合う

私は3ヶ月の海を描いていて 今日の海は今日だけの海なのに

そこに含まれている 含んでいる

そういう一瞬がたまにある

どうなるのか どうしたらいいのか かたまらないまま ゆらゆら描いている

そういう絵は 自分の作品じゃないかもしれない そう思うけど

この絵は その まかせる かんじと 自分の眼がみたものの 境界線にぎりぎり存在したい 自分にひきよせすぎず ただ海を模倣するのでもない

そういうひとつの 生き方みたいに

描き上がる というか 時間が来たら 改めてみてみよう 展示のときに

 

 

と! 昨日 そんな いつも絵を起点に みていた海に繰り出した!!!!

ずーっと 海からこちらをみてみたいなあ 海にでてみたいなあと思っていた

船にあこがれていた

でもきっと 願っていれば 乗れる日がくるよね と 気長に待っていたら

願いは海からやってきた

 

IMG_8599

最近 夜に釣った太刀魚をもってきてくれる つるのさん(こころの中ではタチウオさんと呼んでいる)

この太刀魚が美味いこと!

こんなに美味しいんだなあ

IMG_8505

夜寝る前にさばく キラキラ光ってる

IMG_8618

刺身ももらった これは美味い 甘エビのようだ 思わず普段禁じている晩酌をした

IMG_8600

その タチウオさんが 海から絵のほうにきてくれるようになった

ある日 乗りたかとやろ?と言われ やったー!のりたい!といって

ついに船出

IMG_8625

夕方 太陽に向かってはしります

IMG_8627

船は 海に浮かんでいる あたりまえだが この 海スレスレ感がいい

IMG_8631

まちをみる 山の上からの視点で描いている絵があるが いつもと逆に

海からみる

IMG_8648

 

自分の絵がみえてくる!!うわあ

IMG_8647

感動

IMG_8662

いつも絵をみにきてくれる斎藤さんがいた 海から手を振った!

いつもはあちら側にいる自分

この 視点の転換はなんだ 半分しか見えていなかった世界がぜんぶみえるような感慨

IMG_8653

対岸に見えていた 描いている 湯ノ湖まで行く

船は速い 行きたいところに直線でいける

IMG_8656

研究センターが近い 思っていたよりもでかい

遠くのものが 近くなって よくみえる 存在感が変わる

ほんとうにすごいことなんだから 写真ではわからないだろう くっ

この実感がすごいのに

IMG_8658

夕日に向かって

IMG_8661

沈むまで ただ夕日をみた いつもは釣りできているタチウオさんが

夕日を見るためにだけ 来ることになるとはなあ と言っていたけど

タチウオさんだって ぜったい毎日夕日に感化されていたのだ

ただ意識していなかっただけで

夕日が人に及ぼす力はすごい 毎日浴びていたら人柄とか変わるはず

一人でみる夕日 良い 今日の終わりを惜しみながら あらがわず行こうと思う

二人でみる夕日 良い 一人とは少し違う 今 この瞬間を強く意識する

 

なーんて

実際は 競馬の話とかしてたらいつのまにか沈んでたんだけどね

でもとにかく あたまの中にある世界が 反対方向にぐんと広がった

ドラクエで 今まで見えていたけど行けなかった大陸に船出したときのあの感覚を

思い出したけど

ドラクエが今日の私を真似しているだけのこと

見えていても見えなかったこと もの 人 その奥へ 近くへ

いけることの喜びよ

 

IMG_8664

 

夕日が沈んで陸に帰る時 今度は月が現れていた

まんまる なんだか贅沢フルコースな夕方だった

ありがとう タチウオさん

 

展示まであとひと月 津奈木に滞在するのはあとひと月半

明日もフルコースで 過ごしますよ!