BLOG : 2016/06

津奈木滞在記(5)

家のお風呂ボイラーがとつぜん壊れました 温泉通いの日々です

 

津奈木にきてはじめて ひとりで電車に乗って熊本市内まで行ってきました

遠山監督の映画「マジックユートピア」みるためにいきました

いやー 都会 地震 人 熊本城 市電 めまぐるしい一日 のち 日常

雨 大雨 海の絵はだいじょうぶだろうか?もうしばらく行ってない

 

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津奈木町にあるたくさんの銅像のうち こいつが一番お気に入り

タイトルは「まつり」

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裏に住むおじいちゃんとこの猫 クロ もうだいぶ高齢

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石田さんが ボトルキープしてる焼酎をついでくれる図

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熊本市内に行く日 快晴!おれんじ鉄道からは海がきれいだ大興奮のおのぼりさん

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何その顔 くまもん

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蜂楽饅頭のお店で食べられる「コバルトアイス」

かき氷好きのわたしの中で94点 すばらしい!安い!また行きたい

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まちをうろうろしていると偶然こぶしファクトリーがまさにナウでライブ中だった

この感動をわかるのはハロプロオタクだけ

入りたい欲望をなんとかおさえた

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いきなりくずれているところがたくさんあった 熊本城付近は有る意味壮観だった

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加藤清正の神社 行けるように整備されていて わりと人が居た

はじめていったけど すごいところだね 熊本城

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ガイドしているおじさんのはなし聴いてたら

人が残したくなるものだから人が残してきた と思った

すごいもの おもしろいもの 美しいもの

残す 伝えていく という意志がつづく ということはすごいことだ

 

 

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23時半に津奈木に帰宅 夜のおれんじ鉄道

 

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いやー 映画館で映画自体ひさしぶりで どきどきわくわく

映画をみながら 自分の絵のこと 些細な機微 心象の揺れ

そういうところまで光が届く そんな映画だった!みにいってよかった また 自分の制作生活に帰ってゆく その決意をピリッと新たにした

帰り道 すべての場面が 映像として再生できるくらい 画として記憶した

 

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朝 雨 たった一日津奈木を離れただけでも 自分がシーンとして

内側にもぐっているのがわかる それもいい だけど起きて美術館にいく

 

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たまねぎをむく婦人会

美術館にいくと 開く 全部のじぶんの毛穴とかまで 開いて風が通る

通らざるを得ない

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「こうふのまちの芸術祭」だしてましたよね?と話しかけられた

ごみふみこの後輩だった

美術館では いろいろなことが起こるなあ どこで巡り会う ソレワカラナーイ

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雨 川の水が暴れ狂ってる 怖いけど 見つめた

 

すべての日常を絵にむすびつけていく 含み込んでいく

ますます引き締めて

 

津奈木滞在記(4)

 

 

 

 

津奈木へ来てひと月がたちました

数日前に地震で揺れた

絵に成る暮らしは順調 でもずっとあるもどかしさ

暮らしの一瞬一瞬 すごくおもしろいことや 美しいもの

あーいますごい! と思うことが 毎日やってくる

でもそれは 改めて文章にしたりしようとすると なんかうまく言えない

金の砂粒がサラサラ〜て手からこぼれ落ちるみたい

だれに というわけではなく でも ほら!みて!すごいよ! と言いたい

写真でほら きれいでしょう? といってみせるとかじゃない

もっと複雑で多様な 波のような怒濤の連続の途切れ目の無いなにかが

ずっと押し寄せてきているかんじ

全くいえん

でも 絵を描いて展示をして 絵をまえにして語りたい 絵を軸にして想像したい

感動すると人についしゃべりすぎてしまうけれど

言葉でわーっと話した後 なんか できそこないの写真みたいにうまく伝わってないことに落ち込んだりしてたけれど

絵のまえでなら 絵が根拠なら きちんと話せるということ

伝えられるということがわかってきて

図と言葉で 寄せ来る波のように表していこうと思いますばい

(婦人会のみなさまと喋ることが多いからだんだん九州弁に戻ってきたばい)

 

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美術館のエントランスで健康体操する婦人会

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石田さんは食べるのも行動するのも決めるのもぜんぶ速い

風のようにうごきまくる

電話して人を呼んだりとかもすばやい 尊敬

 

 

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美術館にはなぜかたまに豆腐売りがきたり お魚を届けてくれる漁師の奥さんがいたりする 美術館の なんでもあり感がすごく発揮されている

鯛がやっぱりすき!

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石田さんが 「食べ物があまれば幸田に届けろ」という声かけを実施しているらしく もらえた手作り弁当 すごい

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なんと プールの常連客 宮本さんから北海道土産が届く 東京からも差し入れ

 

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ある晴れた夕方 海にいかず重盤岩にのぼってみた

写真でも言葉でも言えないすごい瞬間があったから 描く

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最近雨だからって油断してると夕方いきなり晴れたりする

海に!いかなきゃ! 慌てて飛び出す

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今一番関心があること アスファルトって何色なんだろう?

夕方のアスファルトってすごいきれい

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海辺 近所に住んでいる奥さん たまに犬ときてくれる

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昨日は修さんがよさそうな自転車に乗ってみにきてくれた

晴れてる夕方は海に居ます 海で会いましょう(缶ビールがあるとなお良いです)

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この日 アクリル絵の具用の水をもってくるのを忘れてしまい 海水を汲んだ

絵にはあまりよくなさそうだが 目の前に大量の水があるのはありがたい

汲みながらなんかみずちゃんを思い出した

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色々な角度と視点から津奈木をみて描いている

道を歩くと自分の絵の視点が一緒に見える うん…これぜんぜん言えないうまく

自分の絵のせいで まちが あふれ 同時に認識し

晴れと雨 朝と夕と夜 色 いっこのものに含まれる情報?記憶が多面的に同時に見える 日々変化するものも捉える あー うんと まだ ぜんぜんだめだ

展示で伝えられるようがんばろう

 

津奈木滞在記(3)〜制作リズム編〜

いよいよ梅雨入りですね

雨が降ると海に行けない 仕事ができない なーんてね ほかにもやること沢山

 

先日 家の隣にある津奈木中学校にぷら〜っと見学にいってみました

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アサイくんの作品もあるよ

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学校に入るなんて いつ以来だろう あたまがくらくらした 職員室こわい

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まずは美術の授業を見学 ポスター制作 やったなあ

このあと 道徳の授業も見学(というか参加)

丁度水俣病についてのお話で だれよりも真面目に授業を受けた

学校!学校よ…!今受ける授業はほんとうに面白い

だれかになにかを真剣に教わる しかも全然知らないあらゆる分野を

先生と対面しているって 心強い 先生 って すごい

でも となりの席の男子は給食まだかなーて言ってた その気持ちもわかる

オトナになったのだな 私

道徳の授業で班に分かれて意見を言い合う場面ではりきりすぎてクラスメイトにクスクス笑われたりしましたがそれでもめげませんでした

しかしあれだ 中学二年生とかいって もっと思春期まっただ中というか

反抗的だっだり 斜に構えていたりしたような気がしていたけれど

津奈木中学校の子たちはみな まぶしいくらいに素材そのものがピカピカしている

先生の問いかけにすかさず答える みな 先生にきちんと対面している

恥ずかしさから もじもじしてしまうことはあっても

きちんと聴いている 向かい合っているし 素直に反応している

いいな すごくいいな と思った

いきなり現れた謎の絵描きにも みな チラチラこちらをみて 微笑んでくれたりする 話してくれる

学校生活はすごく忙しくて 50分の授業はあっというま 次から次へ授業がやってきて ここ10年くらいは自分のペースでしか生きてこなかったから

は、はやい!こんな次々いろいろなものを吸収できないよー というかんじ

スマホのタイムラインを高速で読み解くくらいの速さ

忙しいんだね 中学生

さてその後 校長が給食食べてけば というのでやったー!給食食べた

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きちんとシステムができあがっている

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なんか少なく感じたけど食べたらちょうど良かった うまかった

給食食べるの17年ぶり…と言ったらクラスメイトに引かれた 自分でも引いた

また授業を受けにいこうと思う 音楽とか体育とかもいいな

国語もいいな 英語もいいね 昔嫌だったなにもかもが 今面白い

 

さてさて わたしの津奈木での生活サイクルがもうほとんどできあがり

毎日どこかで絵を描いています その流れを振り返る

 

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天気予報で晴天になりそうな日は 朝4時に起きてみます あたりはまだ暗く

ほんとうに晴れるのか ドキドキしながら4時半に家をでる まちは眠っている

自転車で 肌寒い中を海の方へ

途中に見える川 コンクリート 畏れる気持ち

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しかし 5分ほど走っていくと 朝の気配がやってくる

空が 山の方角から明るみ始めて 冷えたからだに少し暖かさを感じさせる

この 夜と朝の境目がすごくいい!

見えるものが変わってく瞬間 怖かった夜の川が 柔らかい水の流れに感じたり

眼からこめかみのあたりに光を感じると 脳みそが目覚めるような

 

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橋にある金の彫刻がね 夜明けが一番綺麗なんです 昼間にみるのとはぜんぜんちがう 人間の希望みたいな 船の灯りみたいな

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走っている間にこれくらい明るくなる

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海で描いている絵に対面

朝は 描かない 海をみて ぼんやりする 紙にドローイングをする

夜明けと満ち潮が重なる晴れた日の朝だけ 海に行きます

行ってみて晴れない日もある でもとにかく この 夜明けに動き出す日 というのはとても大切な気がする

貴重な時 どう作品に影響して来るかな?まだ未定

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晴れるとだんだんすごくなる だれかに伝えたくなる

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6時すぎにはこの明るさ 夜が明けました!

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家へ戻る道はあらゆるものが煌めいていて おはようございます!!と叫びたい

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山から日がのぼって

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新幹線の線路の淵が光って

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夜は怖かったコンクリートが可愛いきのこみたいになって

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一日がはじまります 去年大原美術館にいたときに買ってもらったラジオ

もってきてます あのときの生活サイクルで聴いていたラジオを同じ時間に違う場所で聴くと 不思議なきもちになる

とりあえず朝はNHKラジオで「すっぴん」を聴いています

朝ご飯を食べて 少しだらだらしたら

10時

家から2分 つなぎ美術館へ行きます

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エントランスで公開制作している絵 高さがありすぎて凹んでいたけれど

今はめちゃくちゃ楽しい! ここで夕方5時まで過ごします

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なが〜〜〜〜〜〜い筆 面白いけどあんまり使い道ない

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お昼は石田さんたち 婦人会のみなさんと 美術館の喫茶室で食べる習慣に

みなのおかずを横取りして 頂いています この時間たのしい

喫茶室から見える重盤岩(ちょうはんがん)緑が眼に食い込むー

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人とも話すし すごく風通しのよい制作現場 ここが一番はかどる

 

そして5時に美術館が閉まったら家へ帰り 夕ご飯を食べます

だらだらしておると あ!夕焼けだー いかなきゃ海へ

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日が長い 6時すぎではまだ黄金の空

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夕焼けへの期待が膨らみます

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金の彫刻がさらに輝く

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オレンジになりかけている

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今の時期だと 18時45分から19時15分のあいだ 海がもえるような

綺麗な時間になる その時がくると 慌てて描く

脇目もふらずにみるみる変わっていく海の色をなんとか書き留めようと必死になる

こんな高速で描いたこと無い ライブペインティングって苦手でほとんどやったことないけど たぶんそのかんじ イヤホンで音楽を聴いている

だれもみていない中 ひとりライブペインティング大会

まじ必死

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すごく不思議なことなんだけど 山の上に見えるのが水俣病研究センター

そこの建物がピンク色に光り始めると描き始める合図になる

そして建物が影に入る時 絵を描くのもおしまいの合図

ほんと そのあいだだけ 一番綺麗!

 

と、ひとりせかせか描いていたら 後ろに石田さん夫妻がいてびっくり

こっそり観に来ていた

描き終わるのを待って お茶とほうらくまんじゅうをくれた

だれかとこの景色をみたかった 伝えたかったから 一緒に夕日を観れてうれしかった

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海と絵が 同じように暮れていく

 

家に帰る 帰りのみちはすこし寂しい

そうそう 無限カレーやっと作り始めました

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雨の日 美術館が休みの日 今日は人に会いたくない日 などは

家で絵を描きます

床の間をアトリエにしました だらだら自分のペースで過ごしながら

ああでもないこうでもない と描く 海や美術館での制作とはまた違う

静かで沈んだ 小さな粒を拾うような制作

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今ははじまりの絵を描いている 地図を描いている

 

こんなふうに 暮らしの中に絵を配置して そこのあいだを色々な時間 天気 季節の中往復する

それぞれの場所でしか出逢えないもの 人 光

そしてそのときの心象

それを反映していく絵をかけたらいいなと思います

生活そのものが 絵に成っていく

絵があるから 生活に成っていく

そのあいだに見えてくるものが無限にあって どんどんこぼれ落ちているけれど

どれだけすくえるか どれをすくいとろうか 常に選択している

限られた時間の中で わたしが選んだものが 絵に成るんだなぁ