BLOG : 2016/08

津奈木滞在記(12)

基礎レベルがあがっている気がする

今までなんか苦手だったような些細なこともできるようになっている

早寝早起き 切り替え 休憩なしの制作 自転車こぐスピードと運転さばき

ものごとへの反応 食べなくてもうごける身体 筋肉

頭の回転 整理整頓 計画作り 実行力

自分に負けない力 くよくよしないこと さばさば感 人との距離感

などなど

でもこういう無敵状態のときほど油断すると穴におちるので気をつけよう

とにかくもう 一日をあますところなく使い尽くす日々

今日はひっさしぶりの雨 なので こうやってブログを書く ぬかりない計画性

ふふふ。

 

先日 最後の夜のワークショップがあった

題して「みんなの点が山に成る」

視点 ものをみる目線のことをよく考える

山 とは 木の集合体 木は葉っぱの集まり どこから どうやってみる

山をみているときにはみえにくい葉っぱ

葉っぱをみているときは意識しにくい山

描くことで 近くも遠くも 同時に存在するとわかる

ルールは簡単

みな 絵を描くのを怖がるので 私が 「丸を6個!」というと丸を6個描く

「線を2本!」というと線を2本描く。そうやって 画面を丸や線で埋めていく

みな同じにやっていくのに 色や配置 違っている

できあがるのは 点の集合体 それぞれの 画面

 

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あいかわらず速い石田さんは自分の描き終えて岩崎さんのをお手伝い

様々な場面で石田さんが居てよかった ほんとうに信頼している

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最後にそれを合わせてみる この 自分の目の前しかみていなかったところから

山がたちあがる瞬間が!感動!!

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わーー 写真だと 一枚の絵にみえるかもしれないが

この それぞれ感 密度 ばらばらなのにひとつになる 眼の中で混ざる瞬間

わたしは感動しましたよ この多様性が山 この密度が世界です

夜のワークショップ とても楽しかった

絵を描いていて みなと一緒にみたい景色がある 絵を描くことで見える景色

それを 一緒に経験できた

海も山も 私はひとりで描いている でも みなが描いた海と山

そこから沢山のヒントをもらいました

絵とは 世界とか ものを見ることとは

良い経験だ

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虹だー

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最近夕方の海は 常連客の斎藤さん そして 海からこんにちわ つるのさん(たちうおさん)

この二人と私 夕方の海仲間 ただ海辺にいるってだけで 面白い

よく来ていたカイエン君とエナちゃんは夏休みに入ってから遊びに夢中であんまりこなくなる たまに坂から走って降りて来るとうれしくて一緒に遊ぶ

お母さんが上の家から帰ってこいと叫ぶ すると二人は嬉しそうに全速力で坂を駆け上がっていく その様が愛おしい

わたしはそんな二人の絵を描いた ふたりが居ないときも 絵を描いてふたりのことを考えていた

昨日 展覧会のチラシを渡す時 「実はふたりの絵を描いたんだ」と言った

恥ずかしかったから それだけぶっきらぼうに言った

海での出会いと時間は わたしの価値観をかなり新しくしている

きっと 東京に帰っても消えない 新しい自分

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となりの猫 クロは最近私が大好き

私もクロが好き

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朝 ごはんを一緒に食べて 少し二人で遊ぶ時間が唯一の休憩

 

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台風の影響か 山のほうから風がふく日

一番凄い夕方に出逢う

毎日毎日来ていても なかなかお目にかかれない

もう 海に着く前から期待大!

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わわ

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わわわー!

この日 空が完璧すぎて すごい速さで絵を描いた

自分の眼球と空がくっついていること つまり 眼と外の世界はぴったりとくっついてそこに距離はないこと

ただ時間が過ぎていくから 見る 描く 見る 描くを心臓がどきどきしながら繰り返す 終わるまで 今日が終わるまで

隔たりは ない

この瞬間

やっと空が決まった!海の絵はいつまでも描いていたい でも日は沈む

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海にいのししだブー 茶色くてわかりにくい

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制作を終えてもたちうおをさばく仕事 刺身もしてみた 美味い

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アサイ君が2ヶ月ぶりに津奈木へ来た

ああ もうそんなに時間がたったんだなあ

線路に白線だよ 私のつくった白線も 駅の歩道橋に焼き付けられたみたい

津奈木にくるたびにみられるんだね うれしいね

 

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フライヤーできました!すばらしい 石井さんありがとう!

絵の展覧会なのにメインビジュアルが自分! (この撮影をした時期が一番太っていたんだよなあ 悔しい)

配るぞ配るぞー

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昨晩はライブイベントがあり 海で描いた後 立ち寄った

まちのみんなと乾杯した

ビール二杯でむにゃむにゃに 体質変わったなあ

 

絵に成る暮らしを大切に 今日一日を生きる 生ききる

 

津奈木滞在記(11)ついに海にくりだす

オリンピックと甲子園 ラジオで聴いています

最近猫とわたしの関係がまた親しくなっている

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軒下から

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部屋にあがるように

朝5時に起きて布団などたたんでいると 外からにゃーんと呼ばれる

朝は一緒にごはんを食べている 至福

 

お盆あたりは行事がつづき ビール呑んだり せりふね大会いったり

少しからだをゆるめた

といっても 全力で遊んだ へとへとへと〜

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赤崎地区のお祭りにいった 夕方から海で絵を描き 日が暮れてからのお祭り

うきうき 灯籠が港を彩る 火って明るいな 小さいのに 夜灯だ

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屋台!ビール! 開田さんや松田さんがやきとり売ってた 林田さんはかき氷売ってた 全種類食べた たのしかった 絵を描いたあとに ちょっと一杯 それが最高にすき 飲過ぎないこと これ大事   お と な!

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食べ物をもらうことがほんとうに多い

家に帰ったら冷蔵庫に大家さんから差し入れ

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せりふね大会の打ち上げにひょっこり参加したあとも

オードブルまるまるもらえた 一週間は暮らせる

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お盆の日に行われる せりふね大会

一昨日美術館にきた町長さんに聞いたところ せりふねとは 長崎でいうペーロンのことでした ペーロンという船をつくるのに 津奈木の杉の木は油がのっていて良質だったため 津奈木から長崎へ木を送っていたこと

長崎のまねをしてせりふねを作って イワシを海から加工場まで運んでいたこと

イワシは腐るのが速いので よりはやくイワシを運ぶのを競い合ったところからせりふね大会がはじまったこと

なるほどー だった

現在は 地区ごとに船をだし 競う やはり海沿いの地区がやる気もあふれていて強く 街中は過疎などもあり 漕ぎ手がいない など さまざま

まちの変わり行く今を 実感

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ずらーとテント 地区ごとに   わたしは染竹地区に住んでいるので そこで応援

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中学生の部 可愛い

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乗りました 漕ぐのは無理です 船の先頭に 艇長という役割があり

ただみんなのほうを向いて タオルをふる というやつなのだが これをやらせてもらった

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これがもう すごくて。。 屈強な漢たちがこちらに圧をかけてくる!

ひとこぎすると身体が前後に振れるのだが その振れに合わせてタオルをビシッとふる スタートしてから 我を忘れるほど声をはって タオルをビシビシふっていた なんだろうこの体験。。 すごく興奮した

翌日腕がひどい筋肉痛だった タオルふっただけなのに

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強いチームはみなのオールさばきが見事 みな 夜な夜な練習しているんだって

 

 

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最近 海の絵を描いていて すごいことが起こる

描いても描いても追いつけなかった海 しばらく 朝も夕も 集中して必死で描いて来て 自分なりの 海のリズムができてきた 完成 というのは ない

展覧会の締め切りがあるから それまで描くだけ

そんな気分で最近は描く 一日一日を 今日で仕上げるつもりで

そしてまた次の日は新しく

そうしたら あれ? 今日の空 絵に似てる! という瞬間がくる

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毎日変えているのに 雲の形が同じだったり 色がぴたっと合う

私は3ヶ月の海を描いていて 今日の海は今日だけの海なのに

そこに含まれている 含んでいる

そういう一瞬がたまにある

どうなるのか どうしたらいいのか かたまらないまま ゆらゆら描いている

そういう絵は 自分の作品じゃないかもしれない そう思うけど

この絵は その まかせる かんじと 自分の眼がみたものの 境界線にぎりぎり存在したい 自分にひきよせすぎず ただ海を模倣するのでもない

そういうひとつの 生き方みたいに

描き上がる というか 時間が来たら 改めてみてみよう 展示のときに

 

 

と! 昨日 そんな いつも絵を起点に みていた海に繰り出した!!!!

ずーっと 海からこちらをみてみたいなあ 海にでてみたいなあと思っていた

船にあこがれていた

でもきっと 願っていれば 乗れる日がくるよね と 気長に待っていたら

願いは海からやってきた

 

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最近 夜に釣った太刀魚をもってきてくれる つるのさん(こころの中ではタチウオさんと呼んでいる)

この太刀魚が美味いこと!

こんなに美味しいんだなあ

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夜寝る前にさばく キラキラ光ってる

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刺身ももらった これは美味い 甘エビのようだ 思わず普段禁じている晩酌をした

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その タチウオさんが 海から絵のほうにきてくれるようになった

ある日 乗りたかとやろ?と言われ やったー!のりたい!といって

ついに船出

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夕方 太陽に向かってはしります

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船は 海に浮かんでいる あたりまえだが この 海スレスレ感がいい

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まちをみる 山の上からの視点で描いている絵があるが いつもと逆に

海からみる

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自分の絵がみえてくる!!うわあ

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感動

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いつも絵をみにきてくれる斎藤さんがいた 海から手を振った!

いつもはあちら側にいる自分

この 視点の転換はなんだ 半分しか見えていなかった世界がぜんぶみえるような感慨

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対岸に見えていた 描いている 湯ノ湖まで行く

船は速い 行きたいところに直線でいける

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研究センターが近い 思っていたよりもでかい

遠くのものが 近くなって よくみえる 存在感が変わる

ほんとうにすごいことなんだから 写真ではわからないだろう くっ

この実感がすごいのに

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夕日に向かって

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沈むまで ただ夕日をみた いつもは釣りできているタチウオさんが

夕日を見るためにだけ 来ることになるとはなあ と言っていたけど

タチウオさんだって ぜったい毎日夕日に感化されていたのだ

ただ意識していなかっただけで

夕日が人に及ぼす力はすごい 毎日浴びていたら人柄とか変わるはず

一人でみる夕日 良い 今日の終わりを惜しみながら あらがわず行こうと思う

二人でみる夕日 良い 一人とは少し違う 今 この瞬間を強く意識する

 

なーんて

実際は 競馬の話とかしてたらいつのまにか沈んでたんだけどね

でもとにかく あたまの中にある世界が 反対方向にぐんと広がった

ドラクエで 今まで見えていたけど行けなかった大陸に船出したときのあの感覚を

思い出したけど

ドラクエが今日の私を真似しているだけのこと

見えていても見えなかったこと もの 人 その奥へ 近くへ

いけることの喜びよ

 

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夕日が沈んで陸に帰る時 今度は月が現れていた

まんまる なんだか贅沢フルコースな夕方だった

ありがとう タチウオさん

 

展示まであとひと月 津奈木に滞在するのはあとひと月半

明日もフルコースで 過ごしますよ!

 

津奈木滞在記(10)

お盆ですね
里帰りの人々の気配をかんじる
スーパーの品物が充実している

暮らしと絵はひとつの歯車になり 朝から晩までくるくる回転しています
いろいろなことがあるけど 立ち止まる暇がほぼなく
自転車で走っているときなどに ふと 言葉が浮かんで来たりする
それ以外は 感情もこだわりも 流れていきます

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船へのあこがれ
船が水面にうつる景色をひっぱっている

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海への坂をおりてくる私 すごい急勾配でいつか油断するとそのまま海に落ちそう

 

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朝 海で絵を描いていたら 海の方から「おーい」と聞こえて みると

カイエン君が船に乗ってた 釣りをしてた かっこいいと思った

海からの眺めはどんなですか

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上から絵をみると 船みているみたいなきもちになる

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津奈木の海はじつはあまり晴れない 中国からのPM2.5とか なにかもやもやとしたもののせいで だいたいはもや〜と晴れる
夕方も朝も
でも時折 驚きの色を発する   これは朝 浮かぶ船がまたグッド

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でたー 鹿島君

横浜から旅をして遊びにきてくれました 鹿島君のことは大学生のころから知っているけれど 会うたびに太ってる 新婚ほやほやでさらに太ったなおい!

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海へいく

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入ってみたものの ふじつぼが痛くてすぐ退散

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海からみる絵はこんなかんじかあ

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この日は夕方から津奈木の夏祭りだった

いつも海に絵を描きにいく時間に お祭り会場までいくとき

津奈木にきてこんなに綺麗な夕日はみたことない!というくらいの夕焼けだった

夕立が二日連続であって 空のもやもやがとれたのもある

海にかきにいけなくて残念!

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いてもたってもいられず お祭り会場の近くの海にきてみたら ハワイみたいだった 鹿島君も大喜び しばらくビールなど呑んで夕焼けの素晴らしさについてなど話した

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花火や盆踊り たくさんの人 この日ばかりは 気をゆるめ

ぼんやりいろいろなものを見渡す

 

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その後 いさやまさんの家にお邪魔し 鹿島くんも一緒に呑んだ

人の家って居心地いいな〜

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夜 鹿島くんと 春に私や笑平くんが主催した寿町での鹿島君の結婚パーティのときのDVDをみる ほんとうにいいイベントでした この写真は

「乾杯」を歌ってるところ
津奈木にいて 横浜のことを思い出す時 時空がゆがむ ここはどこだ。。

人は移動する 色々なところで出逢い直す それが面白いし嬉しい

津奈木をでたら 私もまた 津奈木と 人と 出逢い直せる 今はまだ渦中だけど

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鹿島くんは 石田さんとも仲良しに

ありがとう 来てくれて

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夏祭りや朝市や 大忙しだった石田さん さすがにおつかれか

アトリエにやってきてゴロゴロ  おつかれさま

 

 

 

海にかきにいくと 最近いろいろ起こる

人が人を連れて来る みたいな現象がよく起こる

いさやまさんに連れ出された飲み会で出逢ったマラソンランナーの人に 道で会い

そのまま走って海までみにきてくれた

同じくいさやまさんに連れ出された飲み会で出逢った整骨院の先生と仲良くなり

たまにからだをほぐしにいくようになったが

そこにきている患者さんの女の人が海にみにきてくれた

長崎の島原から津奈木に働きに来たらしい

どこで働いているの?と聞くと

水俣病研究センターです と言われて驚いた

私が毎日海からみているあの山の上の建物

夕焼けがそこだけ反射し太陽のように海に光の線をひくあの研究所

絵の必然と 暮らしの必然がリンクしてくる

思わぬところから

そこに何を見いだすのか どう脈絡をたてるのか それぞれの想像力にかかってる

わたしは今の暮らしに 風景に 脈絡を立てて 絵を描いていく

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